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On the Production
by 井口健二
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■第188回(Oscar winner,Saturn賞,Equalizer,Beasts of Burden,Annihilator,TMNT,Marble Hornets,Manhattan Undying,Transcendence)
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※
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まずは米アカデミー賞の結果から。
作品賞は、何と9月紹介『アルゴ』が受賞した。この作品
は一般映画だが、内容的にSF映画のバックステージが絡ん
でいることもあり、僕は大いに気に入っていた作品だ。1月
1日に掲載した僕のベスト10では番外1としたが、今回割愛
した一般映画では第1位に選出するものだった。
しかもその発表をホワイトハウスからの生中継で大統領夫
人が行うとは…。物語の基になった実話では、その勲功も隠
さなければならなかったという作品の内容から考えても、こ
の演出は素晴らしいと思えたものだ。本作は他に、脚色賞と
編集賞も受賞した。
一方、今回の最多受賞は、監督賞、撮影賞、作曲賞、視覚
効果賞の4部門を制した『ライフ・オブ・パイ』。12月紹介
のこの作品は、今回は候補部門数では第2位の11部門の候補
に挙がっていたが、受賞は視覚効果などに限られるだろうと
思っていた。それが監督賞とは…、しかもアン・リーは2度
目の受賞で、これは予想外だった。
続いて『アルゴ』と並んで3部門の受賞を果たしたのは、
助演女優賞、音響賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の
12月紹介『レ・ミゼラブル』。キャットウーマンや白の女王
も演じるアン・ハサウェイの受賞はジャンル映画ファンとし
て嬉しかったが、『ヒッチコック』『ホビット』を抑えての
M&H賞は…、ハサウェイの髪型と抜歯なのかな?
この他では、11月紹介『007スカイフォール』が主題歌
賞と音響編集賞(1月紹介『ゼロ・ダーク・サーティ』と同
時)の2部門、1月紹介『ジャンゴ繋がれざる者』は脚本賞
と助演男優賞(クリストフ・ヴァルツ)の2部門をそれぞれ
受賞している。
また、長編アニメーション賞は6月紹介『メリダとおそろ
しの森』、短編アニメーション賞は2月紹介『シュガー・ラ
ッシュ』の中に書いた『紙ヒコーキ』が受賞。今年の短編ア
ニメーション賞の候補作はこの1本しか観ていなかったが、
ちょうどその作品が受賞したのは嬉しかった。
因に、短編賞の受賞作は見事に実験的な作品だったが、昨
日付けの『アニメミライ』で紹介した作品には、このような
クリエイティヴな感動が少なかった。数年前には日本の作品
がこの賞を受賞したこともあったが、アニメーターと同時に
クリエーターの育成も期待したいものだ。
一方、長編ドキュメンタリー賞も2月紹介『シュガーマン
奇跡に愛された男』で、海外の長編ドキュメンタリーは観る
機会が少ないが、その作品が選ばれたのも嬉しいところだ。
さらに外国語映画賞は、5候補中4本をすでに紹介していた
が、受賞は1月紹介『愛、アムール』だった。
ところで、今回『アルゴ』の作品賞の発表は大統領夫人が
行ったものだが、実は対抗馬と目されたスティーヴン・スピ
ルバーグ監督作品が描いたのは共和党の大統領。それを民主
党の大統領の夫人が讃えるのはかなりおかしなものになると
ころだったが、結果はそうではなく、それはほっとしたもの
だ。
最後に今年の主演女優賞は、史上最高齢と最年少の候補が
話題だったが、現実はゴールデングローブ賞を分けた2人の
一騎打ちだった。そこで通常アカデミー賞はコメディに厳し
いとされているが、受賞は12月紹介『世界にひとつのプレイ
ブック』のジェニファー・ローレンス。これも政治的な思惑
が絡んだのだろうか。
以上、僕なりにアカデミー賞を概観させてもらった。
* *
お次も賞の話題で、今年で第39回を迎えるアメリカのマニ
ア団体The Academy of Science Fiction, Fantasy & Horror
の選定によるSaturn賞の候補が発表されている。その映画部
門を紹介しておこう。候補はそれぞれ6作品だ。
ベストSF映画賞候補は、
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03月01日(金)
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