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On the Production
by 井口健二
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■第186回(Star Wars,Odyssey,ブラックリスト,バヨナ監督,Terminator,The Amazing Spider-Man 2,The Muppets... Again!,Tomorrowland)
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。    ※
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 まずはこのニュースから。
 すでに報告されている2015年にディズニーが公開する新作
“Star Wars: Episode VII”について、その監督として今夏
公開される『スター・トレック イントゥ・ダークネス』を
手掛けたJ.J.エイブラムスの起用が正式に発表された。
 この監督の人選に関しては、昨年の計画発表以降、自薦他
薦による様々な名前が挙げられていたが、中では昨年9月紹
介『アルゴ』のベン・アフレックの名前もかなり取りざたさ
れていたようだ。確かにその時点では、1970年代のSF映画
ブームを背景にした現実のアドヴェンチャーを見事に描いた
アフレックの手腕は魅力的に感じられたものだ。
 しかしジョージ・ルーカスとディズニーは、さらにSF映
画の王道を行く現在進行中の『スター・トレック』シリーズ
の監督に、『スター・ウォーズ』の新たな希望を委ねること
にしたようだ。
 J.J.エイブラムスは1966年のニューヨーク生まれ。しかし
TVプロデューサーだった両親と共に幼い頃にロサンゼルス
に移住し、主な教育は西海岸で受けている。そして16歳の時
に映画音楽の作曲で業界と関わりを持ち、大学生の頃には友
人と共に映画の企画書などを書き始め、その中には1992年に
メル・ギブスンが主演したSF作品『フォーエヴァー・ヤン
グ』も含まれている。
 そして1998年にジェリー・ブラッカイマー、マイクル・ベ
イの許で『アルマゲドン』の製作に参加。同時期に初のTV
作品“Felicity”を手掛けて高評価を受け、2001年には制作
会社Bad Robotを設立し、“Alias”“Lost”などを制作して
行く。因にこの3つのTVシリーズでは、エピソードの監督
の他に、テーマ音楽の作曲も手掛けているそうだ。
 その後は、2006年に『ミッション:インポッシブル3』で
映画監督デビュー。さらに2009年の『スター・トレック』、
2011年6月紹介『スーパー8』を監督して今夏の『スター・
トレック イントゥ・ダークネス』に至っている。またその
傍らでは、2008年の『クローバーフィールド』の製作なども
手掛けてマニアファンを喜ばせてくれた。
 そんな正しくSF映画の王道監督の起用が発表されたもの
だが、エイブラムス自身は、昨年秋頃のインタヴューでは、
「勿論やりたいが、それより金を払って観に行くことが楽し
みだ」と語っていたそうで、そんな根っからのファンが、新
シリーズの監督に就任したようだ。
 なお脚本はすでに、2006年11月9日付「東京国際映画祭」
で紹介した『リトル・ミス・サンシャイン』や、2010年5月
紹介『トイ・ストーリー3』などのマイクル・アーントが書
き上げているはずだが、エイブラムスは過去の監督作品では
いずれも自らの脚本か、TVシリーズで気心の知れた脚本家
の脚本を用いており、その点がちょっと気にはなるところで
はある。
 海外の映画データベースでは、すでにマーク・ハミル、ハ
リスン・フォード、キャリー・フィッシャー、アンソニー・
ダニエルスらの出演も噂として掲載されているが、実際の主
人公たちはその後の世代の物語となるはずで、そろそろ発表
されるそのメムバーも気になるところだ。
        *         *
 続いてはワーナーから、古代ギリシャの詩人ホメーロスの
作とされる長編叙事詩「オデュッセイア」にSF的な捻りを
加えて映画化する計画が進められ、その脚本家として昨年末
に発表の2012年版ブラックリストでベスト10に選出された、
1937年のソビエト連邦が舞台の脚本“Devils At Play”の執
筆者ジェイムズ・ディラポーの起用が発表されている。
 オリジナルの物語は、英雄オデュッセウスがトロイア戦争
の勝利の後に凱旋する途中に起きた10年間にもおよぶ漂泊の
旅が語られ、さらにオデュッセウスの息子テーレマコスが父

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02月01日(金)
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