ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460002hit]
■ムーンライズK、ダイナソーP、世界にひとつの…、マキシマムB、ジョニー・トー、シャドー・ダンサー、ゴースト・フライト、ザ・マスター
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『ムーンライズ・キングダム』“Moonrise Kingdom”
2005年4月紹介『ライフ・アクアティック』などのウェス・
アンダースン監督による最新作。2012年カンヌ国際映画祭の
オープニングに選ばれ、世界的にも大ヒットを記録している
そうだ。
物語の舞台は1965年、アメリカ東部のニューイングランド沖
に浮かぶ全長26kmの小島ニューペンザンス。その島で厳格な
父親の許に暮らす12歳の少女と、規律に厳しい隊長に率いら
れたボーイスカウト隊員の同い年の少年が、教会で行われた
観劇会で出会い、1年間の文通の末に、互いの境遇を悲しん
で駆け落ちを決行する。
そしてまず少年の脱走が発覚し、隊長や島で唯一の警官らが
捜索を繰り広げる一方で、少女の家出も判明する。しかし経
緯から最初はいがみ合う大人たちを尻目に、ボーイスカウト
の隊員たちは推理を巡らし、遂に2人を発見するが…。その
時、島には未曾有のハリケーンが接近していた。さらに里親
に見放された少年に少年院送りの危機も迫る。
2005年の紹介は、正直話が良くは判っていなかったものだ。
その後に監督は、世界的なヒット作やアニメーションの話題
作も発表しているが、それらの試写は観せて貰えなかった。
そんな訳で今回の試写は多少構えながらの鑑賞だったが、本
作に関しては内容も理解しやすく、お話も心地よく観ること
ができた。
それはまあ、主人公が子供のせいもあるのかもしれないが、
無邪気さに溢れたアンダースン監督の作風が、本作の内容に
ぴったりだったとは言えそうだ。特に子供たちの働きに大の
大人が振り回される…。そんなシーンが小気味よく、それに
合った全体の雰囲気も素敵な作品だった。それに昔はこんな
子供の映画が沢山あったことも思い出した。
出演は、共に本作が映画初出演のカーラ・ヘイワードとジャ
レッド・ギルマン。その脇を、ブルース・ウィリス、エドワ
ード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマ
ンド、ティルダ・ウィンストン、ボブ・バラバン、ジェイス
ン・シュワルツマンらが固めている。
脚本はアンダースン監督と、『ライフ・アクアティック』に
も参加のローマン・コッポラが共同で執筆。まあ寓話と言え
る作品だが、1960年代の風景と共にどこか懐かしく、心地よ
いお話が展開されていた。
『ダイナソー・プロジェクト』“The Dinosaur Project”
2007年にNHKが放送した“Prehistoric Park”などのシド
・ベネット監督が描いた恐竜アドヴェンチャー。
1999年にBBCが制作した“Walking with Dinosaurs”など
のお陰で、テレビ用に恐竜を描くCGI技術ではイギリスの
スタッフは一頭地を抜くと言われているのだそうで、本作は
その財産を映画に活かそうと企画された作品のようだ。
とは言うものの、元々がお子様向けの感覚なのかな? 出来
上がった作品は何ともツッコミどころが満載のものになって
しまった。
物語の始まりは、アフリカの川を流れてくるナップザックの
映像。それは川の上流で目撃された謎の生物を発見する目的
で、イギリスのテレビ局が「Dinosaur Project」と命名して
送り出した探検隊のもののようだった。
そしてそのザックの中からは、映像の記録されたハードディ
スクやヴィデオテープなどが見つかり、その検証が行われる
ことになる。そこには驚異的な映像が収められていた。
と言うことで、物語はfound-footageと称されるスタイルで
展開されるのだが。ここで探検隊の名称の「Project」が、
実は“The Blair Witch Project”に由来していると気付か
されるものだ。
ただまあそのお話が、探検隊長の息子が勝手にヘリコプター
[5]続きを読む
12月30日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る