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On the Production
by 井口健二
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■サイド・バイ・S、ひまわりと子犬の…、悪人に平穏なし、次郎は鮨の…、さなぎ、エンド・オブ・ザ・W、ジャッジ・D、いのちがいちばん…
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『サイド・バイ・サイド』“Side by Side”
俳優キアヌ・リーヴスの企画製作で、ディジタル化の進む映
画界の現状とその問題点などを探ったドキュメンタリー。
作品では最初に映画の簡単な歴史が紹介され、次いで1969年
ベル研究所でのCCDの開発から、1984年ルーカスフィルム
でのエディットドロイド開発。さらに1995年デンマークのラ
ース・フォン・トリアーが興した映画運動「ドグマ95」に
おけるヴィデオ撮影への挑戦などが前史として描かれる。
そして2000年、全編にディジタル補正の施された『オー・ブ
ラザー!』の製作と、HDヴィデオで撮影した『SWクロー
ンの攻撃』の公開、さらにディジタル・カメラで撮影された
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のパルムドール受賞が同時
に起き、ディジタル化の波は一気に押し寄せることになる。
ただまあ、僕自身の個人的には、以前の職場の関係でソニー
のHDカメラの開発などは比較的近い位置で見ていたし、こ
の辺の経緯は目新しいものではなかった。しかしそれがフォ
ン・トリアーやジョージ・ルーカスらの口から直接聞けるの
は、正に実感として伝わるものだ。
そしてここからは、マーティン・スコセッシ、ジェームズ・
キャメロン、デヴィッド・フィンチャー、デヴィッド・リン
チ、スティーヴン・ソダーバーグ、ラナ&アンディ・ウォッ
シャウスキー、ダニー・ボイル、ロバート・ロドリゲス、リ
チャード・リンクレイター、レナ・ダナムらがディジタルの
効用を語る一方で、クリストファー・ノーラン、バリー・レ
ヴィンスンらのフィルム派の意見も紹介される。
さらに撮影監督や編集、技術スタッフ、機材メーカーまで、
ディジタルを取り囲む実に多方面の人々に取材が行われてい
る。それは特に著名監督にはその姿が観られるだけでも楽し
いものだし、その話している内容も実に平易で解り易く描か
れているものだ。
ただ例えばディジタル補正(DI=Digital Intermediate)
に関しては、カラーリングについては多く語られているが、
僕自身が以前にイマジカで観せて貰った補正は、もっと多様
なものだったし、さらにCGIについてももっと突っ込んで
貰いたかった。
それにフィルムとディジタルの違いについては、一言フィル
ムの粒子性という言葉で片付けられているが、実際には量子
化エラーの問題など、ディジタルの問題点にももっと詳しい
解説が欲しかった。
とは言え本作は、フィルムとディジタルの現状を解り易く説
明していることでは有用な作品で、映画ファンには是非とも
観ておいて欲しい作品だ。
『ひまわりと子犬の7日間』
宮崎県を舞台に、保健所に収容された保護犬の実情と、譲渡
推進協働事業の実現を描いた実話に基く作品。
主人公は、保健所の動物保護管理所に勤務する男性。5年前
に妻を交通事故で亡くし、母親との同居で小学生の娘と息子
を育てている。そしてその子供たちには、保護された犬の引
き取り手を捜す手伝いをして貰っているが、自らの仕事の実
態は話すことができなかった。
そんなある日、野犬が畑を荒らしているとの通報で主人公は
先輩及び後輩の同僚2人と共にその保護に向かうのだが…。
そこにいたのは幼い3匹の子犬を持つ母犬。その母犬には、
優しい飼い主の許を離され、人間の都合で野犬にさせられた
過去があった。
こうして保護された野犬には、7日間の収容期間の内に譲渡
先が見つからないと処分という決まりがあった。しかし主人
公が特別に20日間に伸ばした収容期間の終りに近づいても、
人間不信に陥った母犬は従順さを見せなかった。そして長女
は、父親のしている仕事の真相を知ることになる。
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12月16日(日)
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