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On the Production
by 井口健二
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■黄金を抱いて、アルゴ、ロックアウト、駄作の中だけに、ミラクル・ツインズ、エクスペンダブルズ2、ドリームハウス、ニモ3D+Hobbit
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『黄金を抱いて翔べ』
大阪府出身の女流ミステリー作家高村薫が1990年に発表した
デビュー作の映画化。その映画化に、大阪府出身の脚本家・
吉田康弘と奈良県出身の監督・井筒和幸が挑戦した。
主人公はちょっと影のある男。その男が大阪に現れ、以前か
らの知り合いらしい男の斡旋で吹田に居を構えて、運送会社
で働き始める。しかしそれは表向きのことで、彼らには裏で
大きな計画があった。
それは古びた大きな銀行の地下に眠る時価数億円の金の延べ
板。それを強奪しようという計画だ。そして主人公には、仕
事を斡旋した男から爆弾を扱える男の紹介が依頼される。主
人公にはそれに合う男の心当たりがあったが…
その他、銀行内のセキュリティシステムに詳しい男や、銀行
のエレベーターを手掛けた老人などが加わって計画がスター
トする。しかしそこには集まってきた男たちの過去が関って
いた。
出演は、妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、溝端淳平、東方神
起のチャンミン、そして西田敏行。他に青木崇高、田口トモ
ロヲ、中村ゆり、鶴見辰吾らが脇を固めている。
爆弾魔の男が川向こうに住んでいたのが故意か偶然かなど、
多少解り難いところはあったが、その監視で実力を測るなど
の展開は納得できた。他にも計画は緻密さと大胆が巧みに織
り合わされて、なかなか見応のある作品になっていた。
ただし物語の展開上仕方ない面はあるが、人が多少安易に死
に過ぎるのと、そこでの人間ドラマが希薄な感じもした。そ
れは原作が作家のデビュー作という点もあるのかもしれない
が、映画としてもう少し肉付けしてもよかったかと思えると
ころだ。
尤もそれもやり過ぎると問題だが…。本作の場合は、今この
状況で犯行を実行しなければならない理由付けも多少不明確
で、ここにもっと切迫した雰囲気も欲しかった。
俳優たちはそれなりに雰囲気を出していて、なかなか良い感
じだった。ただ、西田敏行を3週連続で紹介することになっ
たのは、ちょっと驚きだが。他にこの年代で上手く存在感の
出せる俳優がいないのも事実なのだろう。
『アルゴ』“Argo”
2010年11月紹介『ザ・タウン』などのベン・アフレック監督
・主演による最新作。1979年に起きた在テヘランアメリカ大
使館人質事件。その際にカナダ大使公邸に逃げ込んだ6人の
アメリカ人を巡る、俄かには信じられない脱出作戦の全貌を
描いた実話に基づく作品。
事件の発端は、前国王のアメリカ入国に怒ったイランの民衆
が大使館になだれ込み、そこにいた52人を人質にとったとい
うもの。その直接の事件は1年以上を経て解決を見るが、実
は民衆がなだれ込んだ際に6人のアメリカ人が大使館を脱出
し、カナダ大使公邸に匿われていた。
しかしその事実が知れると、カナダ大使館は勿論、アメリカ
大使館に人質になってる人々にも危険が迫る。そこでCIA
は、密かにその6人を脱出させる作戦を立てるが…。
その計画とは、折からのSF映画ブームに目を付け、ハリウ
ッド製SF映画の偽計画を立てて、イランの荒野にロケハン
に訪れたスタッフとして6人を連れ出すというもの。そして
CIAは『猿の惑星』でオスカー受賞のジョン・チェンバー
スらに協力を求め、作戦をスタートする。
映画にはチェンバースは実名で登場し、Daily Variety紙に
載った実際の偽広告なども紹介されている。因にその偽映画
の題名が“Argo”というものだ…と、ここまでが今回の映画
の内容。
実はDaily Variety紙は数年前まで定期購読していて、そん
なことあったかと思い返してみたが、僕が購読をし始めたの
が1981年4月で掲載はそれ以前だった。しかし情報を探って
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09月09日(日)
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