ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460044hit]
■スケッチ・オブ・ミヤーク、推理作家ポー、くろねこルーシー、火祭り、カハーニー、シャドー・チェイサー、みんなで一緒に、菖蒲、大奥2
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『スケッチ・オブ・ミヤーク』
ミュージシャンで、音楽プロデューサーでもある久保田麻琴
の原案・監修・出演により、沖縄県宮古島に伝承される古来
からの歌を記録したドキュメンタリー。
久保田は熊野古道を旅した時に伝承音楽に心を馳せ、同時に
宮古島の音楽について聞いたこともあって島を訪れる。そし
て島に伝承されてきた神を讃える歌に魅せられ、その記録を
始めることになる。
その歌は、以前は特別な神事の中だけで歌い継がれてきた。
そしてそれは、日本の圧政の許で誕生した当時の人々の魂の
叫びの意味も持つ。そんな歌が字幕付きで紹介される。
しかし島では歌を伝承する人も高齢となり、神事も途絶え、
その歌を伝承する機会も失われている。そんな中で、人伝て
に音楽を聞き出し、記録してゆく作業が続けられる。
そんな島と歌の関わりが、記録映像や古老たちの証言、そし
て感動的なコンサートの様子などと共に紹介される。
沖縄の人々と歌の繋がりでは、7月に沖縄本島が舞台の『歌
えマチグヮー』を紹介しているが、沖縄の人は本当に歌が好
きなようだ。
実は、個人的にも以前に勤めていた職場に沖縄出身の女性が
いて、彼女は宴会などで興が乗ると沖縄民謡を歌い踊ってく
れた。それはちょうど本作のクライマックスのような雰囲気
だった。そんなことも思い出させてくれた作品だ。
製作、監督、撮影、録音、編集は、大西功一。1991年と95年
にそれぞれ高田渡が出演する作品を発表しているが、本作は
16年ぶりの長編映画作品のようだ。
なお本作は、昨年のスイス・ロカルノ国際映画祭で「批評家
週間部門」に出品され、批評家週間賞と審査員スペシャルメ
ンションを受賞している。作品は歌と証言を綴っただけのも
のだが、その歌そのものに多大な価値のある作品だ。
作品には多数の宮古の歌手が登場するが、その殆どは80歳、
90歳の高齢で、その歌声が記録されただけでも貴重な作品。
中に1人だけ登場する少年には、しっかり頑張れと声を掛け
たくなる。そんな感じの作品でもあった。
『推理作家ポー最後の5日間』“The Raven”
1849年10月7日に謎の死を遂げた近世アメリカの詩人で作家
のエドガー・アラン・ポー。その謎に包まれた最後の5日間
を描いた作品。
物語の舞台は、アメリカ東海岸の港町ボルティモア。詩人で
作家のポーは、自身の作家としての出発点でもあるその街に
戻ってくる。しかしそこでポーは以前のトラブルを抱えてい
るようだ。そんなボルティモアの街で殺人事件が起きる。
被害者は母娘、現場は扉に内側から鍵が掛けられ、窓は釘で
打ち付けられた密室。その現場を見た刑事フィールズは、直
ちにそれがポーの推理小説「モルグ街の殺人」であることに
気付く、そしてポーが現場に呼ばれるが…。
そのポーは、実はボルティモアには文芸評論の掲載と相愛の
女性エミリーとの結婚の許可を求めてやってきていた。とこ
ろが編集者からは次の推理小説を要望され、婚約者の父親に
は結婚は許可しないと言われてしまう。
そんな時、第2の殺人事件が起き、さらに舞踏会から婚約者
が誘拐される。それらは全てポーの小説を模倣したものだっ
た。こうして「落とし穴と振り子」「仮面舞踏会に死がやっ
てくる」などのシーンが次々に再現される中、ポーの最後の
5日間の謎が解明されてゆく。
出演は、2011年6月紹介『シャンハイ』などのジョン・キュ
ーザック、2011年9月紹介『三銃士』などのルーク・エヴァ
ンス、今年5月紹介『MIB3』などのアリス・イヴ。他に
『POTC』のケヴィン・マクナリー、『デンジャラス・ラ
ン』のブレンダン・グリースンらが脇を固めている。
[5]続きを読む
09月02日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る