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On the Production
by 井口健二
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■WIN WIN、よだかのほし、演劇1/演劇2、旅の贈りもの2、放課後ミッドナイターズ、東京スカイツリー、ウェイ・バック+特撮博物館
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『WIN WINダメ男とダメ少年の最高の日々』“Win Win”
ポール・ジアマッティ主演で、人生に行き詰まった男性と、
進路を見失いかけている少年を描いたヒューマンドラマ。
主人公は田舎町で開業している弁護士。その仕事のほとんど
は老人問題だが、その依頼もほとんど無くなっているのが現
状だ。そんな主人公は、ある一線を超えた仕事にも手を出し
てしまう。
一方、主人公はアルバイトで地元高校のレスリング部のコー
チもしていたが、地元や主人公の雰囲気も反映してその戦績
は芳しくない。その主人公の前に1人の少年が現れる。その
少年はたちまちレスリングの実力を発揮してみせるが…
主人公の一線を超えた仕事と、少年のレスリングでの活躍が
絡み合って、かなりの苦みも伴うwin-winの物語が展開され
て行く。
製作・原案・脚本・監督は2009年11月紹介『2012』など
の出演者で、2009年9月紹介『カールじいさんの空飛ぶ家』
の原案も手掛け、監督は本作が3作目のトーマス・マッカー
シー。なお名前は本作から表記を変えているようだ。
ジアマッティ以外の出演者は、2010年2月紹介『グリーン・
ゾーン』などのエイミー・ライアン、2006年9月紹介『スネ
ーク・フライト』などのボビー・カナヴェイル、2010年10月
紹介『宇宙人ポール』などのジェフリー・タンバー。
さらに『ロッキー』シリーズのバート・ヤング、2011年1月
紹介『お家さがそう』などのメラニー・リンスキー。そして
もう1人の注目は、ダメ少年を演じたアレックス・シェイフ
ァー。
監督の希望で、実際にレスリングのできる少年がオーディシ
ョンされ、選ばれた映画の舞台ニュージャージーで高校生の
チャンピオンに輝いたこともあるというシェイファーには、
すでに次回作も決まっているそうだ。
老人問題や親子関係など様々な社会問題が巧みに織り込まれ
た作品で、主人公の立場になくても誰でもが陥ってしまいそ
うな出来事が描かれていた。
『よだかのほし』
宮沢賢治の童話にインスパイアされた現代が背景の物語。
主人公は東京の企業で研究職に就いている女性。しかし同僚
の間では浮いた感じで、上司との間もうまくは行っていない
ようだ。そんな彼女が川縁の遊歩道でジョギング中に同郷の
老女と知り合う。
その老女はようやく田舎に帰れると話し、主人公にあるもの
を託す。そして主人公は約束の日に老女の姿を探すが見つけ
ることができない。こうして彼女は託されたものを届けるた
め、大学に進学して以来帰っていなかった田舎に行くことに
するが…
賢治の童話との関連で言うと自分が疎まれた存在だと思い込
んでいる主人公の姿が童話の主人公に通じるところがあり、
また主人公が研究者であることも賢治が農業技術者であった
ことへのオマージュとも言える。
しかし物語は、そんなことを詮索するより、もっと純粋に故
郷に対する現代人の思いが描かれたものであり、そのため映
画では主人公と賢治の故郷でもある岩手県花巻の祭りや風景
が存分に描かれているものだ。
出演は、2011年12月紹介『わが母の記』などの菊池亜希子、
2008年1月紹介『死神の精度』などの眞島秀和、1939年生ま
れ岩手県出身女優の北上奈緒。
脚本と監督は、2004年9月の短編集『Movie Box-ing』の中
で『夏服と巡査』という作品を紹介している斉藤玲子。正直
に言って内容は全く記憶していないのだが、紹介文を読み返
すとかなり気に入っていたようだ。
その監督は、ニューシネマワークショップの出身で、2005年
にはNCWの支援による作品『AnimusAnima』で長編監督デ
ビュー。その後も短編を作り続け、本作は長編2作目となっ
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07月15日(日)
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