ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460086hit]

■フランス映画祭2012、農家の嫁/ちょっとエッチな生活体験/セカンドバージンの女、王様とボク、シャーク・ナイト、ただ君だけ、工事中
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「20thアニバーサリー/フランス映画祭2012」
6月21日〜24日に有楽町朝日ホールほかで開催される映画祭
の上映作品はすでに何本か紹介しているが、全部で12本もあ
るので残りは纏めて紹介させて貰う。
『A HAPPY EVENT(仮)』“Un heureux événement”
2010年4月紹介『アデル』でヒロインを演じたルイーズ・ブ
ルゴワンの主演による女性にとって一番ハッピーであるはず
の出来事を描いた作品。
僕は約30年前、妻の出産に立ち会うために「お産の学校」に
通ったのが学歴の最後になるものだが、その経験を踏まえる
と、出産という一大イヴェントが実に巧みに描かれた作品だ
った。恐らく経験のある女性なら納得してみられる作品だろ
う。
ただ、多少ネガティヴなのが男性の僕としては気になったと
ころで、女性の目ではどうなのかその辺は僕には不明なとこ
ろだ。
なお映画では、主人公が映画ファンで様々なDVDのタイト
ルが登場してその蘊蓄が語られたり、またカップルがテレビ
を観ているシーンでは『宇宙大作戦』の巻頭ナレーションが
フランス語で聞けるのも、マニアとしては面白かった。
(2012年冬公開予定)

『プレイヤー』“Les infidèles”
今年2月紹介『アーティスト』でオスカーに輝いたジャン・
デュジャルダンが、自らの原案で主演、共同監督、製作、脚
本も務めた作品。
映画ではデュジャルダン扮するお調子者プレイボーイの、正
直に言って僕の目からはかなり退いてしまう放蕩生活が描か
れる。ただそれが若い男性には憧れかも知れず、その辺はい
い加減親父になってしまった僕には理解の外のものだった感
じだ。
なお作品は、デュジャルダンや共演者でもあるジル・ルルー
シュを含む7人の監督によるオムニバスになっていて、それ
が様々なシチュエーションでのどたばたを描き出す。そのど
たばたが楽しめる観客には、これも良い作品だろう。
(6月23日から一般公開)

『スリープレス・ナイト』“Nuit blanche”
昨年トロント映画祭で絶賛され、ハリウッド・リメイクも決
定しているというアクション作品。
主人公は、同僚と組んでマフィアの麻薬を強奪した刑事。し
かしそれがばれ息子が拉致される。その息子を取り戻すため
彼はマフィアのアジトの巨大ナイトクラブに乗り込むが…。
そこに彼の行動を怪しんだ別の刑事たちも乗り込んでくる。
こうして巨大クラブ内の限定された空間を舞台に、眠れぬ一
夜のノンストップ・アクションが展開される。フランス映画
らしいと感じさせる部分もある作品で、ハリウッドがそれを
どう料理するかも楽しみだ。(2012年9月公開予定)

『ミステリーズ・オブ・リスボン』“Mystères de Lisbonne”
19世紀ポルトガルの人気作家カミロ・カステロ・ブランコの
原作を、昨年70歳で亡くなったラウル・ルイス監督が映画化
した上映時間267分の作品。本作にはルイ・デリュック賞作
品賞も授与された。
主人公は孤児院で暮らす少年。名前だけで苗字を持たない少
年は神父に両親のことを尋ねる。そこで神父は裕福な侯爵夫
人を少年に引き合わせるが…。嫉妬深い夫の侯爵は、妻に別
の男児がいると知るや無法者を雇い、子供とその父親の殺害
に向かわせる。
こうしてポルトガル、フランス、イタリア、ブラジルを舞台
にした壮大な冒険の物語が展開されて行くが…
元々は1時間6回のミニシリーズで製作された作品だが、そ
れが物語のアブリッジなしに4時間半の作品として再編集さ
れているようだ。余りにたっぷりとした作品だが、物語は堪
能できる。(今秋公開予定)

『愛について、ある土曜日の面会室』

[5]続きを読む

06月10日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る