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On the Production
by 井口健二
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■LONE CHALLENGER、岸部町奇談、カイウラニ、グスコーブドリ、希望のシグナル、バルーンリレー、アイアン・スカイ、The Lady+DS記者会見
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『LONE CHALLENGER』
2008年開催の第10回インディーズムービー・フェスティバル
で、一般MOVIE部門のグランプリを受賞した林一嘉監督によ
る同年に企画された作品。作品は2010年には完成していたよ
うだが、3・11と類似する内容的な問題により公開が見送ら
れていた。
物語の背景は3・1と呼ばれる災害が発生して10年ほどが過
ぎた時代。その災害の情報はなぜか隠蔽され、人々の記憶か
らは消え去ろうとしていた。そんな時、若い女性の犯行と見
られる爆弾テロ事件が発生する。
それに対して軽薄なマスコミは事件をショウアップし、模倣
犯を演出して真犯人の女性をおびき出そうとするが…。その
一方で民間には犯行に理解を示す連中も現れ、そして地下で
は別の事件も進行していた。
映画の途中でマニアにはお馴染みの台詞が登場し、これはも
うあれしかないなと思っているとその通りだった。この辺は
マニアには嬉しいものだが、年配の評論家氏には唐突だった
ようで、監督に文句を言っている人もいたようだ。言っても
仕方ないが。
因に3・1の設定は3・11以前にすでにあったもののようだ
が、中での東日本大震災への言及は、元は阪神淡路だったも
のを台詞だけ吹き替えているそうだ。しかし3・1のメルト
ダウンを思わせる映像は当初からのもののようで、これには
感心した。
監督の林は、プロデューサー、脚本、撮影、編集、アクショ
ン指導、デザイン、造形、合成、エフェクトと出演も兼ねて
いる。共演は林由莉恵と、2009年6月紹介『吸血少女対少女
フランケン』などの乙黒エリ。なお林由莉恵はそこそこアク
ションもできるようだ。
お話はかなりのごった煮感覚でインディーズ映画の典型のよ
うな作品だが、それだけマニアックでもあり、その点では楽
しめた。また格闘技のシーンも楽しめるが、そこからの展開
は唐突と言えば唐突で、一般にはもう一言必要だったかな。
マニア的にはこれでOKだが。
ただ主人公の行動について監督は、秋葉原の通り魔事件にも
インスパイアされたと言っていたが、僕らの世代だと「大地
の牙」なども思い出される訳で、その辺には世代の違いも感
じられた。
それにしても3・11以前に、震災とメルトダウンを一つの物
語の中で描いているのは凄いことだ。
なお一般公開は6月2日から15日まで、東京下北沢南口にあ
るTOLLYWODという短編映画館(火曜定休日)で行われる。
『岸部町奇談〜探訪編〜』
上記の『LONE CHALLENGER』と共に公開される林一嘉監督の
最新作。
岸部町の高校に教育実習でやってきた美人先生を巡って、謎
が謎を呼ぶ怪奇な事件が発生する。その謎に挑むのは「怪奇
特別探偵」の2人。2人は謎を解明し、町に平和を取り戻す
ことはできるのか…
事件は3人の悪餓鬼が、ヴィデオカメラ片手に廃屋に肝試し
に行くところから始まる。しかしそのヴィデオカメラには、
肉眼では観えない飛んでもないものが写っていた。そこで、
「怪奇特別探偵」の登場となる。
しかし探偵たちの目にはさらに恐ろしいものが見えてくる。
そして2人の目が向けられたのは、教育実習で現れた美人先
生だった。誰もを魅き付ける不思議なオーラに包まれた彼女
の正体とは!?
物語は幾つかの時間軸を駆使したもので、その構成はかなり
凝ったものになっているが、物語の全体は解かり易く描かれ
ていた。しかもその物語はかなり切なさも漂う、良い感じの
ものが展開されていた。
出演は、2008年6月紹介『赤んぼ少女』などの水沢奈子と、
名古屋で活動しているモデルの横田亜美。なお本作で林監督
は、プロデューサー、脚本、撮影、照明監督、編集を兼ねて
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05月20日(日)
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