ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460095hit]

■バトルシップ、君への誓い、バッド・ティーチャー、紙兎ロペ、屋根裏部屋のマリアたち、ワンドゥギ、ムサン日記、タイタンの逆襲
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『バトルシップ』“Battleship”
実は3月22日に試写を観ていたが、日本が世界に先駆けての
公開のため、ユニヴァーサル本社からの要請で情報の露出が
抑制され、こんなに面白い作品なのに何も語れないフラスト
レーションにも苛まれていた作品。その禁止令がようやく解
除された。
物語の発端は数年前、NASAの研究者が意外に近いところ
に生物の可能性のある惑星を発見し、ハワイ島の通信基地か
ら特別に設計された強力な通信衛星を使って、惑星に向けた
友好のメッセージが送信される。
それから数年後、ハワイ島沖の海域では日本の自衛隊艦船も
参加する環太平洋合同演習(=Rimpac)が実施されていた。
その最中、演習海域に宇宙からの飛来物が着水し、合同演習
の司令官はその近くにいた日米の駆逐艦3隻を調査に向かわ
せる。
ところが突然その飛来物が発したシールドによってハワイ島
を含む海域が封鎖され、その内部には日米の駆逐艦3隻のみ
が取り残される。そして飛来物からは巨大な爆雷や車輪状の
攻撃機が次々に繰り出され、日米の駆逐艦に襲いかかる。
こうしてシールド内の3隻は、この強大な敵に日米共同で立
ち向かうことになるが…。その指揮官の間にはそれ以前から
の確執もあった。
出演は、日本では同日公開される『ジョン・カーター』にも
主演のテイラー・キッチュが米駆逐艦の副艦長を演じ、対す
る自衛艦々長役には、2011年5月紹介『マイティ・ソー』な
どの浅野忠信が扮している。
他にリーアム・ニースン、2011年12月紹介『メランコリア』
などのアレクサンダー・スカルスガルド。さらにモデル出身
のブルックリン・デッカー、歌手のリアーナらが共演。
脚本は、2010年12月紹介『RED』などのエリック&ジョン
・ハーバー。監督は、2008年7月紹介『ハンコック』などの
ピーター・バーグが担当した。
映画の展開はとにかく面白い。それはかなり無茶なシーンも
あって、突っ込みどころも満載なのだが、それがすべて許し
てしまえるほどの正しくエンターテインメント、大人も子供
も楽しめる作品になっている。
また、日本のコミックスやアニメにオマージュを捧げている
ようなシーンも多数あって、それは物語の舞台がパールハー
バーであることも含めて、日本に向けた敬意の現れのように
も感じられた。そこで日米の俳優が共演しているものだ。
因に題名は「戦艦」の意味になるが、現在世界中に戦艦と呼
ばれる艦船は存在しないのだそうだ。それでも題名通りの展
開になるところが本作の素晴らしさだと、一緒に試写を観た
兵器オタクの友人が話してくれた。
また敵が繰り出す車輪状の攻撃機は、実は本作の原作となる
ハスボロ社のゲーム盤で使用されるピンの頭を模しているの
だそうで、その辺のこだわりなども知れば知るほど面白くな
る作品のようだ。
そして本作のプロモーションでは、4月2日に米軍横須賀基
地に入港中の原子力空母ジョージ・ワシントンの飛行甲板上
での監督とキャストによる記者会見が開催された。この会見
への出席には事前の登録とパスポートも必要という特別なも
のだったが、僕は幸い昨年のタイ遠征の際に作ったパスポー
トが功を奏して参加することができた。
その会見では、海軍オタクを自称する監督から、「荒唐無稽
な話でも兵士の動きなどには不自然さのない演出を心掛けた
た」との発言もあり、その辺の心遣いが映画の良好な雰囲気
に繋がっていることも再確認できたものだ。
また会見場への行き帰りに通った艦内動線の傍には、映画で
よく観る海図に艦船の模型を並べた作戦室があったり、巨大
なジョージ・ワシントンの頭部彫刻の飾られたハンガーベイ

[5]続きを読む

04月08日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る