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On the Production
by 井口健二
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■キラー・エリート、サイタマノラッパー3、決闘の大地で、キリング・フィールズ、ジョン・カーター、三重スパイ+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『キラー・エリート』“Killer Elite”
1980年代の国際情勢を背景に、暗躍する暗殺者の姿を描いた
実話に基づくとされる作品。
物語の発端は1980年メキシコ。主人公のダニーは、師匠のハ
ンターと共に権力者の暗殺を敢行するが、権力者の車に同乗
していた目撃者となり得る少女に向かって引き金を引くこと
ができなかった。
このことから引退を決意したダニーは、オーストラリアの荒
野に身を潜め、彼の素性を問わない恋人の女性と共に静かに
暮らしていた。しかし1年後、彼の元に1通の手紙が届く。
そこには捕えられたハンターの写真が同封されていた。
その写真を脅迫と判断したダニーは、手紙に指示されたアラ
ビア半島オマーンの砂漠へと向かう。そして彼がハンターの
命と引き換えに依頼されたのは、英国特殊部隊SASの元メ
ムバーの暗殺だった。最強と言われるSASの、しかも組織
に守られた標的への挑戦が始まる。
出演は、『トランスポーター』シリーズなどのジェイスン・
ステイサム、2009年3月紹介『ザ・バンク』などのクライヴ
・オーウェン、そしてオスカー俳優ロバート・デ・ニーロ。
さらに、2000年『M:I-2』などのドミニク・パーセル、今年
第5シーズン目を迎えた人気シリーズ“Chuck”でヒロイン
を務めているイヴォンヌ・ストラホフスキー、2011年11月紹
介『アニマル・キングダム』などのベン・メンデルソーンら
が脇を固めている。
物語は、サーの称号を持つ作家のラヌルフ・ファインズが、
1993年に発表したノンフィクション“The Feather Men”に
インスパイアされたもの。原作にはSASの元メムバーたち
による秘密組織の存在が暴露されているが、イギリス政府は
それを全面否定しているものだそうだ。
因に、SASのオマーン内戦への関与は公式に知られている
ものだが、映画はその後の情勢を描いている。しかもそこに
は秘密組織Feather Menの暗躍が描かれ、イギリス社会の今
まで知られていなかった新たな闇が登場するものだ。
SASと言えば、アメリカ陸軍デルタ・フォースの手本とも
なった精鋭部隊で、従来はその活躍が英雄的に描かれること
も多かったが、その裏ではこんなことも行っていたという…
正に現実にありそうな物語だ。
しかもその映画化に、英米を代表する3人のスター俳優が顔
を揃えているのだから、そのリアルさも抜群と言える作品だ
った。
『サイタマノラッパー(SR3)/ロードサイドの逃亡者』
2010年5月紹介『サイタマノラッパー2』の続き。
第2作だった前作は、第1作のキャラクターが狂言回し的に
登場はするものの、主人公は別に設定されて単独でも観るこ
とができるものだった。それに対して本作は、第1作に登場
して第2作には出てこなかったキャラクターのその後を描く
もので、第1作との関りはかなり強い。
しかし物語は、そのキャラクターが落ちて行く人生の中で、
もがき苦しむ姿を描いて行くもので、それ自体にはさほど前
との関りはないから、本作の巻頭で描かれた説明を観れば大
体了承できるものだった。従って本作も単独で鑑賞できるも
のだ。
ただし展開は、音楽シーンでの成功を夢見て東京に出てきた
若者がやくざ紛いのグループに取り込まれ、甘言に振り回さ
れる姿を描くもので、正直なところはあまり心地良いもので
はない。
そして若者は故郷にも帰れず栃木に辿り着くが、そこでも凋
落は止まらず、ついには重大犯罪にも手を染めてしまう…。
それはそれなりに社会的なテーマも含んでいるが、結局のと
ころ真の悪は野放しのままで、それはどうかなあとも思って
しまった。
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03月11日(日)
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