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On the Production
by 井口健二
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■ワイルド7、わが母の記、顔のないスパイ、ピープルvs.GL、ビーストリー、幕末太陽伝、メランコリア、ウォーキング・デッド+Oscar/VFX
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ワイルド7』
望月三起也原作アクション漫画の映画化。
ワイルド7。それは警察内に超法規的処置によって創設され
た極秘部隊。その隊員は何れも元は凶悪犯という過去を持つ
7人によって構成され、通常の警察では対処できなくなった
事件を超法規的な判断によって解決する。
一方、新聞記者の藤堂は、今や都市伝説とも言われるワイル
ド7の存在を実証しようと調査を進めている。しかし彼が確
証を得たと考えて書いた記事は全て何かの圧力で没にされて
しまう。それでも新人記者の岩下と共に事件を追い続けてい
たが…
そんな中で新たな事件が勃発し、その事件もワイルド7の出
動で解決するが、そこにある謎が生じる。それは警察内に潜
む何者かがワイルド7の活動を利用して富を得ているという
疑惑だった。
ところがその疑惑の解明を進めようとしたワイルド7は、突
然テロリストに仕立てられ、全警察を敵に回して戦うことを
余儀なくされてしまう。
ワイルド7は全員がバイクを疾走させ、さらに爆薬や拳銃な
どの凶悪犯時代に培った技術を駆使して犯罪撲滅のため戦い
続ける。それらが映画の前半ではバイクアクション、後半で
は銃撃戦として映像化される。
出演は、ワイルド7に、2010年12月紹介『まほろ駅前多田便
利軒』などの瑛太、2009年2月紹介『レイン・フォール』な
どの椎名桔平、関ジャニ∞の丸山隆平、今年9月紹介『スマ
グラー』などの阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実。
他に、深田恭子、中井貴一、吉田鋼太郎、中原丈雄、要潤、
本仮屋ユイカらが脇を固めている。
撮影は川口市、北九州市、大分市などで行われており、最近
北九州を訪れた自分には門司港の風景などが懐かしかった。
ただし物語の舞台は東京とされているもの。そこで都内での
走行は困難と思われる超大型車両がばく進するシーンなどは
かなりの迫力があった。
監督は人気の『海猿』シリーズや、2009年3月紹介『おっぱ
いバレー』などの羽住英一郎、脚本は、長谷部安晴作品を多
く手掛けている深沢正樹が担当している。

『わが母の記』
平成3年に亡くなった昭和の文豪井上靖による自伝的小説の
映画化。その原作から2008年『クライマーズ・ハイ』などの
原田眞人が脚色・監督した。
主人公は、ベストセラーも出始めた人気作家。その著作権の
検印紙貼りは、家族や編集者も総出の大騒ぎだ。その最中に
故郷の伊豆湯ヶ島に病床の父親を見舞った主人公は、ふと母
親の言動が気掛かりになる。
そんな主人公には、幼い頃に台湾へ移住した家族と別れさせ
られ、1人伊豆の祖母の許で暮らした経験が、母親に捨てら
れたという記憶として残っていた。それは今でも母親への確
執となっている。
一方、主人公の一家では末娘が反抗期に入り、主人公の言う
ことを聞かなくなる。それは家族のことを作品の題材にする
父親への反発でもあった。そんな一家の混乱ぶりが、30年代
半ばからの昭和期を背景に描かれて行く。
その昭和の再現は、車のナンバープレートから電話機まで、
かなり克明に行われており、ちょうどその頃に子供時代を過
ごした僕のような人間には、心地よい懐かしさにも感じられ
た。
そして母親の問題は、以前にも書いたように自分の母親も同
じような状況なので、それなりに理解しながら観ることが出
来たものだ。
出演は、今年7月紹介『一命』などの役所広司、前回紹介の
『ツィゴイネルワイゼン』などの樹木希林、さらに昨年6月
紹介『オカンの嫁入り』などの宮浮おい。
他に、2007年8月紹介『呉清源』などの南果歩、2010年7月
紹介『神様ヘルプ!』などのキムラ緑子、2008年5月紹介の

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12月11日(日)
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