ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■リアル・スティール、1911、ブリューゲル、ビッグバン、ゾンビ処刑人、フライトナイト、マジック・ツリーハウス、フラガール2+TIFF
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『リアル・スティール』“Real Steel”
リチャード・マシスン原作の短編小説を基に、2001年『陽だ
まりのグラウンド』や、2006年3月紹介『夢駆ける馬ドリー
マー』などのスポーツドラマで実績の高い脚本家ジョン・ゲ
ティンズが描いた近未来映画。
時代背景は2020年。その時代のボクシングは人間同士が闘う
スポーツではなく、ロボット同士が互いを破壊する迄を観せ
る過激な見世物だった。そんな世界で、主人公は元は人間最
後のボクサーだったが、今はロボットを連れて全米を転戦す
るのが生業の男。
その主人公の許に、ある日、急死した元妻の所にいた幼い息
子が現れる。しかしその息子と暮らす余裕のない主人公は、
親権を金で金持ちの親戚に譲り、その金で新しいロボットを
購入する算段を立てる。
そして夏休みの終りには親戚の家に連れて行く約束で、息子
が彼の許にやってくる。ところが、その息子は親譲りなのか
意外とロボットボクシングに詳しく、何かと父親のやり方に
口を出し始める。そして廃品置場で1台の旧式ロボットを見
付けた息子は…
正直に言って、機械のロボット同士が闘うというお話で、ど
こに感動が生まれるのか観るまでは半信半疑だった。しかも
本作のロボットは、それ自体に感情があるというものでもな
く、人間の指示通りに動くだけのただのメカなのだ。
ところが本作の脚本には見事に填められた。さすがに涙を流
す程ではなかったが、本作には見事な人間/親子のドラマが
描かれていた。しかもその設定がSFでしか起こりえないも
のになっているのも、ファンには嬉しいところのものだ。
出演は、ヒュー・ジャックマン、今年5月紹介『マイティ・
ソー』で主人公の幼い頃を演じていたダコタ・ゴヨ。他に、
2010年2月紹介『ハート・ロッカー』で主人公の妻を演じて
いたエヴァンジェリン・リリー。
さらに2008年5月紹介『スピード・レーサー』などのカール
・ユーン、先月紹介『ラブ・アゲイン』に出演のオルガ・フ
ォンダ、『ハート・ロッカー』に出演のアンソニー・マッキ
ー、昨年4月紹介『レギオン』に出演のケヴィン・デュラン
トらが脇を固めている。
監督は、『ピンク・パンサー』や『ナイト・ミュージアム』
などのコメディシリーズをヒットさせたショーン・レヴィ。
本作はコメディではないが、まさかの感動の物語を見事な手
腕で描き上げている。

『1911』“辛亥革命”
1911年に始まり現代中国の礎となった民主革命の発端を描い
た歴史作品。その革命の開始から100年を記念した作品が、
本作でちょうど映画出演100本目となるジャッキー・チェン
の主演・総監督によって製作された。
そのチェンが演じるのは黄興。革命の先導者孫文とは東京で
出会って以来の同志であり、国外退去を命じられて海外で活
動するしかない孫文に代って国内の戦地を転戦し、革命軍の
総司令として民衆たちを鼓舞し勝利へと導いた人物だ。
物語は、そんな日本人が今まであまり知ることのなかった革
命軍総司令官の生き様と、彼と共に革命を夢見て闘い、戦場
に散って行った若者たちの姿が描かれる。それと共に海外で
の孫文の活動の様子や、末期の清王朝、さらに袁世凱の暗躍
なども描かれる。
それは日本人には、よほど興味のある人にしか知られていな
かったようなお話だが、革命によって旧体制を打破しようと
する人々の燃え上がるような情熱は、革命のないままだらだ
らとした国体の続く国の人間には、強く憧れも感じてしまう
ものだ。
チェン以外の出演者は、孫文役に2009年7月紹介『孫文』な
どのウインストン・チャオ、黄興の妻役には2007年3月紹介

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10月23日(日)
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