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On the Production
by 井口健二
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■Pina、ロンドンBlv、ブラディP、指輪をはめたい、Xマスのその夜に、不惑のアダージョ、王様ゲーム、ホーボー/ショットガン+お断り
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち』“pina”
1999年の高松宮殿下世界文化賞を受賞したドイツのダンサー
/振付師ピナ・バウシュの姿を追ったヴィム・ヴェンダース
監督によるドキュメンタリー。
1940年生まれのバウシュは、1973年にヴェンダースの同年作
『都会のアリス』の舞台にもなったドイツ東部の工業都市ヴ
ッパタールのバレイ団の芸術監督に就任。以来団名をヴッパ
タール舞踊団と改称してダンスと演劇を融合した様々な舞台
を作り出した。
そしてヴェンダース監督とは1985年以来の親交を結び、その
時から共同で映画を作る計画が持ち上がるが、ヴェンダース
はバウシュの作品を映像化する手段が見付からないとして長
らく保留されていた。
しかし、2007年のカンヌ国際映画祭で3D映画の上映を観た
監督は、これこそが舞踊家の全てを写す最良の手段と確信、
準備を開始する。ところが撮影の準備が整った2009年6月、
バウシュが突然のガンで他界、監督も一旦は撮影を断念する
が…。
喪に服した後、ヴェンダースは遺族の同意や舞踊団の団員た
ちの強い要望に押されて本作の撮影を開始したものだ。
その作品は、バウシュ自身が生前に選んでいた「春の祭典」
「カフェ・ミュラー」「コンタクトホーフ」「フルムーン」
の演目に加えて、バウシュ自身のアーカイヴ映像や団員たち
の語る思い出などが収録される。
その一方でヴェンダースは、バウシュの振付をヴッパタール
の街頭や大自然の中で再現する壮大な映像を作り上げ、そこ
には『都会のアリス』にも登場した世界最古の懸垂式モノレ
ールなども登場して、見事に感動的な作品に仕上げている。
なお撮影には、ソニー製のスタジオカメラ(HDC-1500)2台を
3D撮影用ミラーリグに装着して伸縮クレーンに設置したも
のや、撮影後半には小型カメラ(HDC-P1)をステディカムに取
り付けたものなども使用され、舞台上のダンサーたちを正に
多角的に捉えている。
そしてその3D効果は、ヴェンダースが『アバター』などを
徹底的に研究したというもので、実は劇場で行われた完成披
露試写では、僕は最後列端という極めて条件の悪い席で鑑賞
したが、それでも圧倒的な3D感を堪能できた。
ヴェンダースの音楽ドキュメンタリーは、2000年『ブエナ・
ビスタ・ソシアル・クラブ』などの名作が知られるが、本作
はさらに3D映画の地平を広げた作品としても金字塔と言え
るものになっている。
『ロンドン・ブルバード』“London Boulevard”
2008年10月の紹介『ワールド・オブ・ライズ』などの脚本家
ウィリアム・モナハンが監督デビューを果たした作品。
1950年ハリウッド映画の名作『サンセット大通り』(Sunset
Boulevard)にインスパイアされたアイルランド人作家ケン
・ブルーエンの原作小説をモナハンが脚色し、現代ロンドン
の闇社会に蠢く男女の姿が描かれる。
主人公は重傷害罪での3年の刑期を終えて出所してきた男。
彼はこれを機に堅気になろうとしているが、彼の技量を認め
る闇社会の連中が、そうた易くそれを許すはずはない。そん
な彼のためには盛大の出所祝いパーティまで開かれる。
ところが、自身は乗り気でなかったパーティで、彼は1人の
女性記者と知り合う。そして彼女の紹介である仕事にありつ
くことになる。それは若くして引退したセレブ女優のボディ
・ガードの仕事だった。
しかし彼の周囲には依然として闇社会の連中が関り、その柵
は徐々に彼の身動きを取れなくしていた。それでもそこから
の脱出を図る主人公だったが…
この主人公を今年9月紹介『モンスター上司』などのコリン
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10月16日(日)
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