ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■マネーボール、グリー/コンサート、恋谷橋、ステイ・フレンズ、天使突抜六丁目、新少林寺、ファイナル・デッドブリッジ、クロサワ映画
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『マネーボール』“Moneyball”
低予算のチームながら最後まで地区優勝を争うものの、結局
は金満チームに負けてワールドシリーズ進出を逃す。そんな
米メジャーリーグの弱小球団オークランドアスレチックスを
統括するジェネラルマネージャー(GM)の姿を描いた実話
に基づく作品。
主人公は、元はスター選手を属望され、奨学金付きの大学進
学も蹴ってプロ野球に身を投じた男。しかしプロ選手として
は大成せず、その後はスカウトなどをした後、アスレチック
スのGMを務めている。そして今年も後一歩のところで金満
チームに破れ、ワールドシリーズ出場を逃してしまう。
そんなGMが気になったのは、選手の移籍交渉で訪れた他球
団のオフィスにいた1人の男だった。その男はイエール大学
で経済学を学び、スポーツとしての野球は全く知らなかった
が、統計学を駆使した選手の効率的な活用法を考えていた。
それは、例えば年間出塁数400回のスター選手より、250回の
選手2人の方が効果的だというもの。
その考えに賛同したGMは、早速彼を自らのブレインとして
採用し、スター選手の大半を放出するチームの改革の乗り出
すが…。彼のやり方は監督や選手たち自身の反発も招き、チ
ームは崩壊寸前になってしまう。そんなGMの支えは、離婚
した妻の許にいる12歳の娘だけだった。
僕自身が予算が無くて選手をまともに揃えることもできない
サッカーチームの応援をしている身としては、この物語には
少なからず興味を引かれた。しかし上記の出塁数の話などで
は、野球とサッカーの違いも明白にされたものだ。もちろん
サッカーでも他の尺度を用いて利用できる理論かも知れない
が…
とは言うものの、スポーツビジネスの裏側ということでは共
通する面白さもあるし、まあ野球のことも知らない訳ではな
いから、そこは気持ち良く楽しめる作品だった。特に最後の
大一番のシーンには涙腺も大いに刺激された。
出演は、ブラッド・ピット、フィリップ・シーモア・ホフマ
ン、それに、2008年11月紹介『無ケーカクの的中男』などの
ジョナ・ヒル。他にロビン・ライト、新星ケリス・ドーシー
らが脇を固めている。
監督は、2006年6月紹介『カポーティ』などのべネット・ミ
ラー、脚本は『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソ
ーキンと、『シンドラーのリスト』のスティーヴン・ザイリ
アンが担当している。
野球やプロスポーツビジネスに興味のある人なら、誰でもが
楽しめる作品だ。

『グリー/ザ・コンサート/3Dムービー』
            “Glee: The 3D Concert Movie”
『glee/グリー』は、アメリカFOXテレビが放送し、ゴー
ルデン・グローブ賞の作品賞を2年連続で受賞しているとい
う人気番組。本作はその出演者たちによるコンサートの模様
を3Dで撮影した作品。
オリジナルの番組は、田舎町の高校を舞台に、落ちこぼれの
巣窟となっていたコーラス部が全国大会を目指して研鑽を重
ねて行くというもの。従って番組では毎回のドラマの中に音
楽が挿入され、そこでは80年代の懐メロなども登場する仕組
みなっているらしい。
これだけ書くと、何か2008年11月紹介『ハイスクール・ミュ
ージカル』の亜流のような感じにも取れるが、本作ではさら
にゲイや障害者や人種などマイノリティの問題も真正面から
取り上げて、社会性の面からも高く評価されたようだ。
そんな社会性の評価などのお陰もあるのかも知れないが、本
国では大統領もファンを公言しているとかで、出演者一同は
ホワイトハウスに招かれて、大統領府の中でコンサートを行
ったこともあるとのことだ。

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09月18日(日)
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