ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■女の河童、ちづる、ブリッツ、ハラがコレなんで、風にそよぐ草、モンスター上司、カリーナの林檎、アンダー・コントロール+Thin Man
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『UNDERWATER LOVE−女の河童−』
日独合作による史上初(?)のピンクミュージカル。
映画巻頭のクレジットに登場した企画:朝倉大介の名前には
オオーと思ってしまった。この人は、言わずと知れたピンク
映画の大御所プロデューサー。この名前がある限りは本当に
ピンク映画のようだ。
試写会で配られたプレス資料によると、最近の日本人はピン
ク映画も観なくなってしまったそうだ。しかしヨーロッパを
中心とする海外では今も需要があり、そんなところから本作
が誕生したようだ。だから日独合作でもあるらしい。
物語の主人公は、水辺に建つ缶詰工場で働く女性。ある日、
ふとしたことから河童を目撃するが、その河童は彼女の幼馴
染みで、高校時代に沼で水死したものの河童に転生したのだ
という。
その高校時代の彼女は河童になった少年に仄かな愛情を抱い
ていたが、それから何年も経ち、現在の彼女は工場の主任と
の結婚も控えている。そこに河童になった少年の出現は彼女
の心を乱すが、実は河童になった少年の出現には別の理由も
隠されていた。
というお話が展開し、それはそれなりにファンタスティック
で有ったりもするものだが、本質的にそれはさて置いて、映
画の後半は屋内や野外でのピンク映画らしいシーンの連続と
なって行く。
監督は、昨年8月紹介『ゴーストキス』などのいまおかしん
じ。出演は、2006年12月紹介『長州ファイブ』に出ていたと
いう正木佐和、2007年『童貞。をプロデュース』などの梅澤
嘉朗。
他に、今年1月紹介『婚前特急』などの吉岡睦雄、元レース
クイーンの成田愛、それに監督と共に本作の共同脚本も担当
した守屋文雄らが共演。また主題歌をドイツ人ポップデュオ
のステレオ・トータルが歌っており、その日本語の歌詞も守
屋が担当したようだ。
そして撮影は、前々回紹介『ラビット・ホラー3D』などの
クリストファー・ドイル。アジアの名匠が再び奇抜な映像を
展開している。

『ちづる』
立教大学現代心理学部映像身体学科を2011年に卒業した赤
正和監督が、その卒業制作として自閉症で知的障害も持つ自
らの妹を被写体にしたドキュメンタリー作品。
監督が卒業した学科は、「映像社会論」や「映像表現史」と
いった講義と共に撮影や編集の実際も習得するとのことで、
特任教授として2005年『蟻の兵隊』の池谷薫監督が指導して
いるなど、映画監督を育てる目的も有るようだ。
その学生だった赤賦ト督の妹は、1歳11カ月で自閉症と診断
され、3歳で知的障害が有ることも判明、そして現在は20歳
になっている。そんな妹のことを健常者である兄は負担にも
感じていたようだが、本作の制作によって初めて直接向き合
うことも決心したものだ。
そこに描かれる妹千鶴さんの姿には、当然知的障害による周
囲の状況を理解できないことのもどかしさや、我儘やそれを
諫める母親への反抗なども描かれるが、その一方で奔放な振
舞や細かい仕種などには愛らしさも感じられる。
実は、監督はこの作品の制作を開始する以前は一緒に住んで
いなかった時期があったとのことで、それは妹を負担に感じ
る現れでもあったようだが、それが直接向き合うことによる
本人の変化や成長も本作は描き出している。
また家族に障害者を抱えることによる現状の問題や将来への
不安なども直接的に描かれ、それはそのような状況に置かれ
た人々への理解を深めることに関して、有効な作品になって
いるとも思えるものだ。
僕は普段の生活で時おり知的障害の人に会う機会もあるし、
実際に自分の母親が認知症だと同様の症状を示すこともあっ

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09月04日(日)
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