ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■ラルゴ・ウィンチ、海と自転車と…、スマーフ、MADE IN JAPAN、やがて来たる者へ、リミットレス、Capt.アメリカ、カウボーイ&エイリアン
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ラルゴ・ウィンチ』“Largo Winch (Tome 2)”
オリジナルは1970年代に出版された小説だが、1977年にコミ
ックスとして刊行が開始されて人気が爆発、本国では18巻目
が近日刊行予定で、英語への翻訳もすでに8冊(オリジナル
では12巻目まで)が出版されているベルギー=フランスの人
気コミックスの映画化。
主人公は、幼い頃にクロアチアの家族の許で平和に暮らして
いたある日、突然現れた父親と名告る男に拉致されて、強引
に帝王学を学ばされる。その男はWグループと称する多国籍
企業の総帥だった。
やがて青年になった主人公は、横暴な父親に反発し、その目
を逃れて世界放浪の旅に出る。ところがそんな父親が暗殺さ
れ、主人公は総資産530億ドルの大企業を率いることに…。
しかしそこには、彼の資産を狙う国際的な陰謀などが渦巻い
ていた。
という物語が背景にはあるらしいのだが、本作は映画化の第
2作で、しかも前作で描かれたはずの総帥の死後に主人公が
旅先から連れ戻される辺りが微妙に絡んでくるから、本作だ
け観ているとかなり物語の理解に努力が要る感じだった。
ただし、映画自体は007張りのアクションの連続で、しか
も大金持ちの主人公がやりたい放題をするお話だから、それ
はそれで、物語などはとやかく言わずに充分に楽しめるもの
になっている。
そして本作では、ビルマ(ミャンマー)問題に絡めて主人公
の人道的犯罪を追求する国連の機関や、主人公の失脚を利用
して企業の乗っ取りを企むロシアマフィアなどが登場して、
国際的な大陰謀が描かれている。因に、本作の国際題名は、
“The Burma Conspiracy”とされているものだ。
主演は、2008年の前作に続いて登場のトメル・シスレー。他
に、シャロン・ストーン、2010年1月紹介『アイガー北壁』
などのウルリッヒ・トゥクール、タイ人女優ナパックパパー
・ナークプラシットらが共演している。
また本作は、フランスの映画と演劇で活躍し、昨年他界した
ローラン・テルジェフの遺作になったようだ。
脚本と監督は、今年2月に紹介『ツーリスト』の基になった
“Anthony Zimmer”を2005年に発表し、2008年に本シリーズ
の前作も手掛けたジェローム・サル。
また脚本には、2009年7月紹介『幸せはシャンソニア劇場か
ら』などのジュリアン・ラプノーが協力し、音楽は『ツリー
・オブ・ライフ』などハリウッド映画でも活躍するアレクサ
ンドル・デスプラが担当している。

『海と自転車と天橋立』
映画評論家でもある田中千世子がメガホンを取ったドキュメ
ンタリー作品。
自らもサイクリストという田中監督が、自分の所属する自転
車クラブの会長による日本海側列島縦断のロングライドを取
材し、そこに朝鮮半島からの渡来文化への考察や、途中で訪
れる天橋立の現状などに思索を広げ、それらを3章に分けて
描いて行く。
その第1章は、日本海側の古代文化と渡来文化との関係。こ
こでは祇園祭でもお馴染みの京都八坂神社にも奉られていた
牛頭天王(「ごずてんのう」と読む)という渡来神を取り上
げ、両者の関係を考察している。
次の第2章では、本作のメインである自転車クラブの会長の
雄姿が描かれる。この旅では北海道から九州までの道程を毎
日100kmずつを走破して行く。そこにはそれぞれの場所での
地元会員との交流の様子なども描かれる。
そして第3章は、そのロングライドの途中で立ち寄る天橋立
の景観を題材に、それが守られている現状などを描く。ここ
では漁場を作るための突堤の造成によって潮流が変化し、一
時は痩せ細った橋立を復活させた技術なども紹介される。

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08月21日(日)
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