ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■男子高校演劇、ムカデ人間、シャンハイ、アイ・アム bS、ツリー・オブ・ライフ、ペーパー・バード、親愛なる…、ふゆの獣+The Hobbit
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『行け!男子高校演劇部』
前々回紹介『犬飼さんちの犬』などに出演の俳優・池田鉄洋
の脚本による青春コメディ。元々池田は2004年に立上げたコ
ントユニットで作・演出を務めているそうだが、映画の脚本
は初めてとのことだ。
物語の舞台はとある男子高校。新入生の主人公は学園生活を
謳歌するためにはどの部活に入ればいいか思案しているが、
一緒にいる親友は、大学進学を目指すため親から部活は禁じ
られたとつれない。
しかし、そんなことにお構いなしの主人公は、演劇部の公演
する「ロミオとジュリエット」を観た途端、ジュリエットの
姿に恋をして入部を決意する。でもそこは男子高校、ジュリ
エットを演じているのも当然…な訳で。
しかも現演劇部員は全員3年生でその部員募集を最後に退部
し、2年生のいない演劇部は主人公とあと2人に任されてし
まう。その上、部員が5人以上いないと廃部になるというこ
とで、早速部員募集に奔走する羽目になるが…。
題名を観て出だしの状況は予想されるし、最近はそういう映
画も多く観ている感じがするところ。さらに最初の内はベタ
なギャグが満載で、これは演劇系の作家によくある、僕が一
番駄目なタイプの作品かと心配した。
ところがそこからの展開が予想外というか、まあ予想できる
部分もあるがそれが良い感じに決まっていて、映画の後半は
見事に填められてしまった。
特に、彼らが演じるオー・ヘンリー作『最後の一葉』の舞台
は、これは正に舞台を知る脚本家ならではという感じで、見
事に最初の予想をひっくり返してくれた。いやあ映画で涙を
流して笑ったのは久しぶりだった。
出演は、昨年11月紹介の『パラノーマル・アクティビティ/
第2章』などの中村蒼、昨年9月紹介『信さん』などの池松
壮亮、2009年8月紹介『引き出しの中のラブレター』などの
冨田佳輔、2007年『キャプテン』などの金子直史。
他に佐藤永典、新川優愛、足立梨花、西原亜希、千葉雅子、
八木小緒里、大和田伸也、そして池田鉄洋。監督は2月紹介
『高校デビュー』などの英勉が担当した。

『ムカデ人間』“The Human Centipede (First Sequence)”
2009年にロサンゼルスで開催されたスクリームフェスタにて
グランプリを獲得、同年オースティン・ファンタスティック
映画祭ではホラー映画賞と主演男優賞をW受賞したオランダ
・イギリス合作の作品。
舞台はドイツの郊外。旅行中の2人のアメリカ人女性が迷い
込んだ森の中で車のタイヤがパンクし、助けを求めて訪れた
家にいたのは何か異様な雰囲気を持つ初老の男だった。そこ
で危険を察知した女性たちは逃げようとするが、男は薬品で
彼女らを眠らせる。
そして目覚めた彼女らはベルトでベッドに拘束されており、
やがて日本人男性1人もそこに加えられ、初老の男は悪魔的
な計画を話し始める。それはシャム双生児の分離では世界的
な権威だったという男が、引退後は結合に興味を持ち始めた
というのだが…
作品のポスターなどにイラストが載っていると思うが、まあ
そういう形の結合を行うもので、言ってみれば究極のスカト
ロジー? 従って正常な神経の持ち主にはかなり眉を顰るも
ので、作る方だって正常な神経ならなかなか実現には踏み切
らないだろう。
でもまあそれを作っちゃった訳で、それがある種のタブーへ
の挑戦ということででも評価されているのかな…。いずれに
しても常識では全く有り得ない話だが、恐いもの観たさとい
うよりは、何となくニヤニヤという感じで観られる作品にな
っている。
出演は、1975年のドイツ映画賞で最優秀男優賞に輝いている

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06月05日(日)
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