ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■乱反射/スノーフレーク、ロシアン・ルーレット、ハンナ、M・ソー、メタルヘッド、鯨とり、ハングオーバー!!、青空どろぼう+Oz,The Great
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『乱反射』
『スノーフレーク』
今年1月紹介『ランウェイ☆ビート』に出演していた桐谷美
玲の主演で製作された作品が2本立てで公開されることにな
り、その試写も2本立てで行われた。
その1本目は、高校3年生で角川短歌賞を受賞した歌人・小
島なおが17歳から20歳までの3年間に詠んだ短歌を集めた歌
集を基に、まだ本当の恋を知らない少女の1歩ずつ前へ進ん
で行く姿が描かれる。
高校生の主人公は歌人である母親の指導で短歌の道を歩んで
いたが、それは学友には秘密だった。そんな彼女には運動選
手のボーイフレンドもいて楽しい学園生活だったのだが、彼
女の秘密が彼に知られてしまう。
一方、母親からは短歌の創作にある課題が彼女に与えられて
いたが…
共演は、2010年2月紹介『RAILWAYS』などの三浦貴大と高島
礼子、それに2009年2月紹介『非女子図鑑』などの月船さら
ら。また原作からの脚色というか映画化の脚本は、2010年版
『時をかける少女』の菅野友恵が担当している。
そしてもう1本は、『成風堂書店事件メモ』シリーズなどの
大崎梢原作からの映画化で、10年前に一家心中で亡くなった
とされる幼馴染みの謎を追う青春ミステリー。これが単純な
謎解きものかと思っていたら、思いの外ちゃんと推理ドラマ
になっていた。
主人公は短大2年生の女性。卒業後は東京に出て働くことが
決まっている彼女には、一つ心残りがあった。それは10年前
に港に転落した乗用車に乗っていたはずの幼馴染みの少年の
こと。その事件は一家心中とされたが、少年の遺体だけが発
見されなかったのだ。
しかしその思いもそろそろ忘れなくては、と考え始めた彼女
だったが…
共演は、昨年公開『君に届け』などに出演の青山ハル、今年
公開『GANTZ』などの白石隼也、それに2010年版『時をかけ
る少女』などの石丸幹二。脚色は、元劇団「東京乾電池」に
所属していた矢新図が担当した。
なお、両作の監督は2010年版『時をかける少女』などの谷口
正晃。まず主演女優を可愛く撮れば良いような作品ではある
が、脚本もしっかりしているし演出も手堅くまとめられてい
た。ただまあちょっと引っ掛かるところはあるがそれは書か
ないことにしよう。
上映時間は2本を合わせると2時間半近いものだが、主演女
優のファンには存分に堪能できそうだ。

『ロシアン・ルーレット』“13”
生活に困窮した男が填った陥穽を描いたサスペンス映画。
主人公は病弱な父親を抱える電気工事士。その父親の入院費
が嵩み、ついには父親が長期ローンの末に手に入れた自宅を
手放さなければならなくなる。そんなある日、彼は仕事先で
緊張した面持ちで大金が手に入ると話すその家の主人を目撃
する。
ところがその主人は緊張のあまりか発作を起こしてしまい、
その混乱の中で主人公は主人が見ていた書類を手に入れる。
そしてその指示に従った主人公は、自らの生命を賭けたロシ
アン・ルーレット場へと足を踏み入れてしまう。
映画でロシアン・ルーレットというと、どうしても1978年の
『ディア・ハンター』が頭に浮かぶ。陥落寸前のベトナム・
サイゴンの暑苦しい雰囲気の中で行われるその作品に比べる
と、本作は登場人物の絶叫の割にはクールで、焦燥感も薄く
はなる。
しかしそれは時代のせいで仕方ない面もあるし、ベトナム戦
争を背景にしか描けなかった当時に比べると、本作では参加
者の背景も様々でそれなりのキャラクターの作り方などには
変化もあって楽しめた。
主演は、昨年10月24日付の「東京国際映画祭コンペティショ
ン部門」で紹介した『ブライン・ロック』などのサム・ライ

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05月29日(日)
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