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On the Production
by 井口健二
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■津軽百年食堂、婚前特急、アメイジング・グレイス、ゲンスブール、塔の上のラプンツェル、リセット、グリーン・ホーネット+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『津軽百年食堂』
昨年11月『世界のどこにでもある、場所』という作品を紹介
したばかりの大森一樹監督による作品。森沢明夫原作による
同名の小説からの映画化。
主人公は青森県弘前市から東京に出て来ている男女。男性は
弘前で100年続く大衆食堂の4代目だが、故郷を飛び出して
東京の大学を卒業。しかし東京での就職はままならず、特技
のバルーンアートでその日暮らしのような生活している。
一方、女性は弘前の写真館の娘で、幼い頃からの憧れだった
カメラマンの道を目指し、東京でカメラマン助手をしながら
それなりの実績も挙げ始めている。しかも遊び場だった写真
館もそこを守ってきた父親もすでに亡く、故郷との柵も少な
い。
そんな2人が東京で偶然出会い、ちょっとした経緯から1軒
の家をシェアして住むことになるのだが、女性には師匠であ
るカメラマンを思う気持ちが強く、お互いの思いはなかなか
はっきりとはしない。
そして男性には、食堂を1人で切り盛りしていた父親が交通
事故に遭って一時食堂を閉めなくてはならなくなり、祖母か
ら「弘前に戻って食堂の営業を続けてくれ」という要請の電
話が架かってくる。
その頃、師匠が急病で倒れその代役を立派に果たした女性に
も、1人立ちの道が開けてくるのだが…。そんな2人の関係
に100年前の食道開業当時のエピソードが絡んで、100年の歴
史を背景にした物語が展開される。
大森監督は、1991年に発表した『満月』でも弘前を舞台にし
たファンタスティックな物語を描いているが、今回はファン
タシーではないけれど男女の正にロマンティックな物語が展
開されている。
まあそれは多少甘々のお話ではあるけれど、殺伐とした現代
に、たまにはこんなのも良いかなというようなもの。それに
弘前「さくらまつり」の風景も、ちょっと不思議な雰囲気も
醸しながら気持ち良く描かれていた。
出演は、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾と中
田敦彦、2008年8月紹介『櫻の園』などの福田沙記。他に、
昨年3月紹介『ヒーローショー』のちすん、藤吉久美子、大
杉蓮、かとうかず子、野村宏伸、手塚理美、伊武雅刀らが脇
を固めている。
『婚前特急』
複数の自主映画(短編)で各地映画祭のグランプリなどを獲
得している前田弘二監督による商業映画第1作。因に監督は
本作の前に、同じ主人公の17歳と21歳の時を描いた作品を携
帯ドラマとして発表しているようだ。
その本作の主人公は24歳のOL。親友の女性は結婚を決めた
が、本人は人生を楽しむことを第1目標に年齢や生活環境も
異なる5人の彼氏の間を渡り歩いている。その彼氏たちは事
情を知っている者も知らない者もいて状況は様々だ。
ところが結婚した親友から結婚の意義を諭され、ちょっと真
剣に考え始めた主人公は5人の彼氏の査定を始めるのだが、
中の1人がどうにも駄目な男であることが判明する。そこで
まずその男を切るべく作戦を開始するが…
正直に言って僕の感覚だとこういう女性は願い下げにしたい
ところなのだが、これが電車の中でも携帯電話を弄くり通し
の連中には理想なのかな。そんなちょっと歪な感じでも観て
いた作品だった。
でもまあ、それはシチュエーションと割り切って観れば、そ
れなりにこれが現代なのだろうし、その点ではなかなか鋭い
感覚で描いている感じはした。少なくとも社会性ということ
では、凡庸な監督よりは見所がありそうだ。
出演は、2008年6月紹介『蛇にピアス』以来の映画主演とな
る吉高由里子。他にモデル出身で2008年8月紹介『櫻の園』
などの杏、昨年9月紹介『海炭市叙景』などの加瀬亮、ミュ
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01月16日(日)
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