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On the Production
by 井口健二
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■僕が結婚を決めたワケ、引き裂かれた女、再会の食卓+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『僕が結婚を決めたワケ』“The Dilemma”
2006年5月紹介『ダ・ヴィンチ・コード』や2009年1月紹介
『フロスト×ニクソン』などのロン・ハワード監督による最
新作。
copyrightは2011年、アメリカでも年明けに試写が開始され
たばかりで、海外の紹介記事もまだ挙がって来ていないとい
う最新作が、日本では1月14日から一般公開されることにな
り、緊急試写が行われた。
物語の主人公は、学生時代からの親友と組んで自動車メーカ
ーに新型車の企画を売り込んでいる40歳独身の男性。彼には
親友の紹介でつきあい始めた女性がいて、彼女は主人公のギ
ャンブル依存症を解消させるなど、もはや欠け替えのない存
在だ。
しかも同棲はしているが互いに束縛しない関係で、それは自
由を謳歌できて楽しいもの。しかし親友からは早くプロポー
ズしないと彼女を失うと忠告される。そこで彼女の誕生日に
プロポーズすることを決意し、植物園での演出も準備するの
だが…
その植物園で目撃した出来事から、主人公は結婚の現実を考
えなければならなくなり、それは同棲相手の女性や親友との
関係にディレンマを生じさせて行く。こうして精神的重圧も
高まる主人公に、メーカーと契約した試作車の納期も迫って
くる。
特に邦題からは、ラヴコメのような軽い印象を受けるし、実
際にコメディタッチの作品ではある。しかし描いている内容
の本質は現実的でそれは現代の夫婦生活で誰にでも起こりう
る物語になっている。その辺はさすがハワード監督作品とい
うところだろう。
ただしそんなシリアスとも言える内容を、見事にコメディの
オブラートに包んで、さらに昔の若者の憧れだったアメ車の
情報なども彩りにして、この作品は観客にも心地よく描かれ
ている。
それは特に乗用車に関する蘊蓄では、ライトなエコカーへの
皮肉と、ヘヴィなアメ車への礼賛が満載なもので、ここでは
ハワード監督が1973年『アメリカン・グラフィティ』での主
演者の1人だったことも押さえておくべきだろう。
そんな本作の主演は、2007年11月紹介『ブラザー・サンタ』
などのヴィンス・ヴォーン、その恋人役に2002年3月紹介、
ハワード監督の『ビューティフル・マインド』でアカデミー
助演賞を受賞したジェニファー・コネリー。
また、親友夫妻役で2005年2月紹介『最後の恋のはじめ方』
のケヴィン・ジェームズと、2003年8月紹介『SIMONE
/シモーヌ』などのウィノナ・ライダー。他に、クィーン・
ラティファ、2009年9月紹介『パブリック・エネミーズ』な
どに出演のチャニング・テイタムらが脇を固めている。
因にライダーは、『シモーヌ』でも観せた劇中で演技をする
という実に臭い芝居を、本作でも見事に演じていた。
『引き裂かれた女』“La fille coupée en deux”
昨年9月に亡くなったフランス・ヌーヴェルヴァーグ時代か
らの名匠クロード・シャブロル監督による2007年の作品。
ミロシュ・フォアマン監督の1981年『ラグタイム』にも描か
れた20世紀初頭のアメリカでの事件(スタンフォード・ホワ
イト殺害事件)を基に、監督と、義娘で助監督も務めるセシ
ル・メストルの共同脚色・台詞で再構築されたサスペンス・
ミステリー。
主な登場人物は、ベストセラー作家の男性とテレビでお天気
キャスターを務める女性、そして彼女を見初めた大金持ちの
プレイボーイ。作家は自作の宣伝のため訪れたテレビ局で彼
女と出会い、偶然彼女の母親が務める書店で行われたサイン
会で再会する。
一方、プレイボーイは以前から嫌悪している作家のサイン会
を妨害する目的で書店を訪れ彼女を見初めるが、すでに作家
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01月09日(日)
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