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On the Production
by 井口健二
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■デュー・デート、Gソシアリスム、デッド・クリフ、名前のない少年…、ヒアアフター、完全なる報復、ジーザスC、ビン・ラディンを探せ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『デュー・デート』“Due Date”
今年4月紹介『ハングオーバー!』のトッド・フィリップス
監督と、主演トリオの1人を演じていたザック・ガリフィア
ナキスが、『アイアンマン』などのロバート・ダウニーJr.
を相手役に迎えて描いたドタバタコメディ。
物語の発端はアトランタの飛行場。妻の初めての出産日が近
付き、出張先のアトランタから自宅のあるLA行きの飛行機
に乗ろうとした主人公に災厄が降りかかる。入り口で手荷物
を取り違えた男が原因でキャビン内のトラブルとなり、2人
とも飛行機を降ろされたのだ。
しかも、主人公のIDカードやクレジットカードの入った財
布を乗せたまま飛行機は離陸。こうなると全てがID優先の
アメリカではレンタカーも借りられず全くのお手上げ。とこ
ろがそこにトラブル相手の男性がレンタカーに乗って現れ、
LAまでの同行を提案する。
こうして2度と顔も見たくなかった男と3日間は掛かるLA
までの道中が始まるが…。その男は俳優志望でハリウッドに
行く途中とのこと、しかし緑内障の治療と称して大麻は吸う
は、犬は飼っているはで、道中はどんどんあらぬ方向に進ん
でしまう。
果たして主人公は妻の出産に間に合うことができるのか…
最近は飛行機にも乗っていないので、日本の飛行場のセキュ
リティがどうなっているか判らないが、アメリカなら恐らく
こんなだろうという発端のトラブルから始まって、他のアメ
リカ特有のシチュエーションも判りやすく、日本人にも存分
に笑える作品だった。
それはある意味アメリカの病巣とも言える部分で、『ハング
オーバー!』もそうだったがこの手のアメリカ自虐コメディ
は、脳天気ではないが日本人にも理解できるものだ。そんな
アメリカを馬鹿にしながら笑える作品になっている。
出演は、上記2人の他に、2008年5月紹介『近距離恋愛』な
どのミシェル・モナハン、今年2月紹介『ローラー・ガール
ズ・ダイアリー』などのジュリエット・ルイス、さらにオス
カー俳優のジェイミー・フォックスらが脇を固めている。
脚本は、テレビのアニメシリーズなどを数多く手掛けている
アラン・R・コーエンとアラン・フリードランド。それに、
『近距離恋愛』のアダム・スレイキエルと監督が担当。
お馬鹿なお笑いの中に、人間味のあるほろりとさせる部分が
バランス良く配置されているのも上手く感じられる脚本で、
それも日本人に受けそうなところだ。アメリカンコメディは
日本ではなかなか難しいが、この作品なら躊躇なくお勧めで
きる。

『ゴダール・ソシアリスム』“Film socialisme”
フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手とされて今年12月に
80歳を迎えるジャン・リュック・ゴダール監督による5年ぶ
りの新作。
ゴダールの作品は、元々が僕のような凡人にはなかなか理解
し辛いところがあるもので、本作もその類の作品だ。
本作の物語は3部構成とされているが、その最初と最後は地
中海のクルーズ船を舞台にしたもの。そこではスペイン内戦
中の1936年頃に、当時のコミンテルンに託すためバルセロナ
からモスクワへ輸送中に行方不明になったという大量の金貨
の謎が追求される。
そしてその間には、フランスの片田舎を舞台にした全く別の
物語が挿入されるものだが、ここでは地方選挙に子供が立候
補したことによる混乱が描かれている。それはマスコミが取
材に来たりの騒ぎになって行くが…。
ゴダールは最初は“Socialisme”という題名で本作の製作を
始めたが、途中でコミュニスムでもキャピタリスムでもよく
なったとして原題を変えたそうだ。ただし本国では2つ単語

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11月21日(日)
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