ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■第23回東京国際映画祭<コンペティション以外>
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※今回は、第23回東京国際映画祭で上映されたコンペティ※
※ション部門以外の作品について紹介します。なお紹介文※
※は短文にし、物語に関しては極力触れないようにしまし※
※たが、読まれる方はご注意ください。 ※
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《アジアの風》
『4枚目の似顔絵』“第四張畫”(台湾映画)
今年は映画祭の企画として台湾映画特集が組まれ、いろいろ
問題も生じたようだが、本作はその内の1本。少年の描く似
顔絵を通して、少年の成長とその周囲の状況が描かれる。な
お、周囲の状況にはいろいろ面白い事象も紹介されていて、
なかなか楽しめる作品だった。
『妖術』“요술”(韓国映画)
題名に引かれて上映には知った顔も集まった作品だったが、
内容は全くその気のない作品で、上映後は皆でポカンとして
しまった。お話は音楽学校を舞台にした青春もの、題名はそ
の中で作曲される曲の題名でもある。因に画面には漢字の題
名も出たものだが、韓国ではニュアンスが違うようだ。
『ズーム・ハンティング』“獵豔”(台湾映画)
推理小説作家の姉を持つ女性写真家が、ふと撮影した写真に
は向かいのマンションの一室で繰り広げられる男女の情事が
写っていた。その写真を観た姉は、作品の題材に取り入れた
いと妹に監視を指示するが…。入り組んだ構成のミステリー
だが、物語の展開には多少疑問を感じた。
『赤とんぼ』“Red Doragonflies”(シンガポール映画)
昔、同級生の少年2人と共に廃線を辿る冒険に出た少女が、
大人になってその思い出を辿り直す。監督には実際に廃線を
辿る冒険の思い出があるらしく後半にはその記録映像も挿入
されていた。でも全体に何が言いたいのか良く判らない作品
で、観終って混乱だけが残った感じだ。
『風に吹かれて−キャメラマン李屏賓の肖像』
“乘著光影旅行”(台湾映画)
台湾監督の名作や、海外の作品でも活躍する撮影監督の姿を
追ったドキュメンタリー。挿入される作品には観ているもの
も多かったし、驚異的な画面がどのように撮影されたかを知
ることができたのも嬉しい作品だった。また李の人柄の良さ
や、最後の家族を思うエピソードには感動した。
『ギャランツ〜シニアドラゴン竜虎激闘』“打擂台”
(香港映画)
ブルース・リーの生誕70周年記念で上映された作品。ブルー
ス・リャンら往年のカンフースターがシニアドラゴン役を演
じて、かなりの激闘を演じるのはさすがという作品になって
いる。ただし何処にリーとの関りがあるのかは良く判らない
作品で、物語は普通にカンフー達人の話だった。
『タイガー・ファクトリー』“虎厰”
(マレーシア・日本合作映画)
早稲田大学安藤絋平研究室とマレーシアのプロデューサーの
共同製作による作品。マレーシアから日本に密航を企てる少
女の顛末が描かれる。ただ登場人物の問題意識の無さが気に
なった作品で、こんな映画を作って良いのかとさえ思った。
アジアの風部門スペシャルメンションに選ばれている。
『愛に関するすべてのこと』“得フ炒飯”(香港映画)
同性愛、異性愛、それに両性愛が入り混じるラヴコメディ。
2人は昔付き合っていた同性の恋人同士。しかし別れて12年
後、再会したのは妊婦向けのカウンセリングコース。2人は
想定外の妊娠をし、出産か中絶か迷っていたが…。何ともは
やの内容だが、映画は面白い作品に仕上がっていた。
『コスモス』“Kosmos”(トルコ映画)
今回の上映作品では数少ないSFジャンルに分類されていた
作品。荒野を超えてその男はやってくる。その男には奇跡を
起こす力があって、溺れた少年が助かったり、老人の長年の
持病が直ったりするが…。正直に言って本作がSFかどうか
は悩む作品だが、エンディングはSFになっていた。
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11月02日(火)
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