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On the Production
by 井口健二
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■食べて祈って恋をして、三国志、遠距離恋愛、アブラクサスの祭、脇役物語+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『食べて、祈って、恋をして』“Eat Pray Love”
ニューヨーク在住ジャーナリストのエリザベス・ギルバート
が2006年に発表して、世界の40カ国以上で翻訳、総売り上げ
700万部のベストセラーになった自伝的小説の映画化。
結婚8年目で30歳を迎え、平穏な暮らしの中でふと自分の望
んでいたのがそんな暮らしではないことを感じた女性ジャー
ナリストが、離婚してイタリア、インド、バリ島を巡る旅に
出発。その旅の中で自分を発見して行く姿が描かれる。
ひと頃、日本でも話題になった自分捜しの旅。人間誰しもが
やりたいと思っていながら、そう簡単に実践できるものでは
ない。それを実践した女性の、しかも実話に基づく物語だか
ら、これはもう憧れ以外の何物でもない作品だ。
ただ傍目からすると、この自由さを認められるのも、彼女の
職業がジャーナリストという特殊なものであるなど、多少は
一般人と異なるからであって、その辺がちょっと悔しい思い
もしてしまう。
でも、もしかしたらそれは自分に多少の勇気がなかったせい
でもあって、やろうと思えば出来たのかな。今にすれば、そ
う思ったこと自体が夢になってしまっているが、そんな勇気
をちょっとだけ発揮した人の物語でもあるのだろう。
そんな共感が、この作品の観客層を支えているようにも感じ
られた。そして映画は、その観客層が満足するように、主人
公が辿る旅をそれぞれの現地ロケーションで再現し、主人公
の旅を観客も実感できるように作られている。
出演はジュリア・ロバーツ。そんな彼女の旅に、ジェームズ
・フランコ、リチャード・ジェンキンス、ビリー・クラダッ
プ、ハビエル・バルデムらが彩りを添えて行く。他にヴィオ
ラ・デイヴィスらが共演。
監督は、2006年に“Running with Scissors”という作品を
発表しているライアン・マーフィ。ジャーナリスト出身で、
1998年にホラー・コメディの脚本が売れて映画界入りしたと
のことだが、以後の活動はテレビが中心で映画は上記の作品
以来の2作目となっている。
そんな監督に、世界を股に駆けた撮影の行われる本作への起
用は冒険のようにも感じるが、彼が脚本・監督・製作総指揮
を務める“Nip/Tuck”“Glee”というテレビシリーズでの実
績がかなり評価されているようだ。
ニューヨークでの恋の顛末の後、イタリアでは食に開眼し、
インドでの瞑想。そしてバリ島の大自然と…それらが主人公
の心の変化と共に丁寧に描かれていた。さあジュリアと一緒
に旅に出よう、そんな気分にさせてくれる作品だ。

『三国志/第8話・第9話』“三国志”
中国で製作開始から6年を掛けて完成され、本国で今年5月
に放送開始された全95話(各話45分)に及ぶ歴史ドラマシリ
ーズが、日本ではDVDでの紹介となり、10月にレンタル開
始、12月に前編第42話までが販売される。その内の第8話、
第9話の試写が行われた。
『三国志』というと最近ではジョン・ウー監督の『レッド・
クリフ』が日本でも大ヒットを記録したが、これは本シリー
ズでは第33話から第42話までの10話だけのお話。物語の全体
はその10倍にもなる壮大なものだ。
という『三国志』の全貌がこの秋から日本でも紹介されるこ
とになる訳だが、試写が行われたのはまだ序章の「群雄割拠
の時代」を背景としたもので、後漢の存亡を巡っての董卓と
呂布、それに貂蝉と王允の物語が上映された。
その物語は、天子を戴く傲慢な支配者董卓とその義理の息子
で将軍の呂布。信頼の厚い2人の仲を裂くため、朝廷の重臣
王允が、こちらも義理の娘の貂蝉を使った謀略を仕掛けると
いうもの。愛国のため自らを犠牲にする人たちの厳しい人間

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08月22日(日)
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