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On the Production
by 井口健二
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■ミレニアム2/3、愛の言霊、シングルマン、GARO、おにいちゃんのハナビ、スプリング・フィーバー、REDLINE+他
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ミレニアム2火と戯れる女』
            “Flickan som lekte med elden”
『ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士』
             “Luftslottet som sprangdes”
昨年10月紹介した『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』
に続く3部作の第2弾と第3弾。
前作では、40年前に起きた財閥の令嬢失踪事件に端を発し、
過去の歴史に纏わる巨大な闇が描き出された。その続編とい
うことで、また巨大な闇の歴史が展開するのかと思いきや、
今回は主人公リスベット自身の過去が深く関る物語になって
行く。
物語は、前作の事件が解決した後で海外に行っていたらしい
リスベットがスウェーデンに戻ってくるところから始まる。
そのことは、前作でコンビを組んだミカエルにも伝えられな
かったが、彼女を巡って巨大な陰謀が動き出す。
そしてリスベットは、「ミレニアム」誌に新規に採用された
若手ジャーナリスト殺害の容疑を掛けられ、ミカエルたちと
の関りが再開されるのだが…。その若手ジャーナリストが追
求していた事件は、思わぬ過去の闇を暴き始める。
前作を鑑賞した後、書店に山積みされたスティーグ・ラース
ンの原作本の翻訳にはかなり食指が動いたが、本作を映画と
して純粋に楽しみたいために手に取るのを止めていた。しか
し、その続編が主人公リスベットの過去に関ると言うことは
知ってしまっていた。
という状態で本作を鑑賞したが、正しく予想を超える展開に
思わず息を呑まされ続けた作品だった。しかも前作はかなり
アクティヴに主人公たちが動き回ったのに対し、本作では、
後半に法廷シーンまで用意される緩急の展開で、その構成に
も感服した。
そして暴かれる闇の規模の大きさ。もちろんフィクションで
はあっても、その如何にもありそうな展開がぐいぐいと観客
を引きつけて行く感じの作品だ。これこそがフィクションの
醍醐味というところだろう。
出演は、前作と同じくノオミ・ラパスとミカエル・ニクヴィ
スト。ノオミは前作の奇抜なファッションも魅力だったが、
本作ではそのヘヴィなメイクは封鎖。しかし、ちゃんとその
姿が再現されるシーンがあるのもうまく構成されていた。
上映時間は2時間10分と2時間28分。合計で4時間半を超え
る大作だが、2本立てで行われた試写は、前作同様あっとい
う間に時間が経ってしまった。日本公開は9月の予定だが、
ぜひとも2作続けて観て欲しい作品だ。
それにしても、リスベットは魅力的なヒロイン像。原作者の
ラースンは亡くなっているが、原作には未発表の第4部もあ
るそうで、早くその作品も観てみたい。それに、ハリウッド
ならこの後は自由に続編が作れる条件にもなるはずで、デイ
ヴィット・フィンチャーが進めるリメイクにも期待したいも
のだ。

『愛の言霊』
紺野けい子原作のBLコミックスの映画化。同じ原作からは
2007年にも映画化があるようだが、本作の物語はそれとは独
立しているようだ。
主人公は、広告代理店のIT部門に就職した若者。通勤の都
合から実家を離れ1人生活を始めるが、その引っ越しの最中
に緊急会議で会社に呼び出される。
その会議で待ち受けていたのは、本社からの派遣で、文系出
身者の主人公には意味不明のIT用語を連発する少し年上の
男性だった。しかし、その男性の眼差しに何かを感じた主人
公は、自費でパソコン教室にも通い始め、彼の期待に応えよ
うとして行く。
一方、主人公には幼馴染みの少し年上の女性がいて、彼女は
姉貴面して彼の住まいにも乗り込んでくる。そんな彼女と本
社から来た男性が、実は以前からの知り合いだったことが判

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07月04日(日)
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