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On the Production
by 井口健二
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■ブレイキング・バッド、チョルラの詩、ロストクライム、アイスバーグ/ルンバ、ラスト・ソング、ゾンビランド+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ブレイキング・バッド』“Beraking Bad”
アメリカでは、2008年1月から放送が開始されて2年連続で
エミー賞主演男優賞を受賞、現在第3シーズンが放送中とい
うドラマシリーズが日本ではDVD公開されることになり、
その第1回及び第2回放送分のサンプルが届いたので、6月
16日の発売に先駆け鑑賞した。
DVDに添付されたプレス資料には「地上波でのオンエアは
絶対不可能」との記載もあったが、確かにそう言い切っても
構わないような衝撃的な作品だ。しかし、その衝撃の中には
巧みなユーモアも仕込まれていて、危険だが納得のゆくエン
ターテインメント作品が作られていた。
物語の主人公は高校の化学教師。「ロスアラモスでノーベル
賞受賞の研究に協力」という表彰額も持っているような科学
者だが、今は出来の悪い生徒を前に悪戦苦闘の毎日。さらに
家には脚に障害を持つ息子がいたり、妻はネットオークショ
ンに填っていたり、おかげで彼は洗車場でアルバイトしなけ
ればならないほどの生活状況のようだ。
そんな主人公が医者から、末期ガンで余命2年と宣告された
ことからドラマが始まる。そこで家族に何か残さなければな
らないと考えた主人公が思いついたのは、化学の知識を駆使
してのドラッグ密造…
いやはや飛んでもないお話だが、アメリカでのドラッグの蔓
延を考えると、こんなこともある程度はあると考えられてい
る範囲なのかな。とにかくエミー賞が授与されるほどに受け
入れられている作品であることは確かなのだろう。
それは兎も角、本作ではそこからの展開が見事で、主人公は
第2回放送分までですでに、麻薬の密造から殺人、死体遺棄
とかなりの重大犯罪に手を染めることになってしまう。その
落ちて行き方が尋常ではなく見事に描かれていた。
物語の発想自体は、真っ当に生きている日本人の我々からは
特異なものかどうかも判らないが、そこからの展開は見事と
しか言いようもなく描かれている。これは確かに賞に値する
作品と言えるものだ。因にエミー賞では、編集賞も受賞して
いる。
主演は、2012年公開“John Carter of Mars”にも出ている
ブライアン・クランストン。共演は2002年4月紹介『光の旅
人』に出ていたというアーロン・ポール。他に、アンナ・ガ
ン、R・J・ミッテらが出演。
なお、物語の序盤で東洋人の売人が出てくるが、演じていた
のはジョン・コヤマという日系3世のスタントマン。
実は、先日紹介の『ザ・ウォーカー』では脇役の胸にKOYAMA
という名札があって気になったが、コヤマはその作品でスタ
ントコーディネーターを務めると共に、別の狙撃手の役で出
演もしていたようだ。
名札とは言えわざわざ画面に名前を出すのは、それなりにリ
スペクトされている現れとも思えるが、彼は来年公開“The
Green Hornet”にも関っているようで、活躍が楽しみだ。

『チョルラの詩』
日本人監督の山口浩史が単身韓国に赴き、韓国人の俳優を使
って制作したラヴストーリー。
物語の時代背景は1987年。ソウルオリンピックの開催を翌年
に控えて朝鮮半島全体がその成功に向けて頑張っていた頃の
お話。そんな折、在日韓国人の詩人で非常勤の高校教師をし
ている主人公の許に、韓国の祖父が亡くなったから葬儀に出
るようにとの連絡が入る。
こうして主人公が向かったのは、韓国南部に位置する全羅南
道の島の寒村。満潮の時には水没する干潟の中を走る歩道を
介して本土と繋がっているその島には、叔母とその息子が暮
らしており、主人公も幼少時にはそこで暮らしていたことが
あるようだ。
そしてその近所には、今はソウルで1人暮しをしている幼馴

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05月02日(日)
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