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On the Production
by 井口健二
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■アデル、にくめハレルヤ、4匹の蠅、小さな命が呼ぶとき、レギオン、サバイバル・オブ・ザ・デッド、華麗なるアリバイ+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『アデル/ファラオと復活の秘薬』
“Les aventures extraordinaires d'Adele Blanc-Sec”
フランスの漫画作家タルディが1976年にスタートさせた女性
冒険家アデルの活躍を描いたコミックスシリーズからの映画
化。『アーサーとミニモイ』の3部作で監督から引退すると
宣言していたフランスの映画監督リュック・ベッソンが監督
している作品。
因にオリジナルのコミックスは、第1次世界大戦前後のヨー
ロッパを背景に、超常現象やオカルトを題材にした物語が毎
回展開されているとのこと。また、2007年に単行本の9巻目
が出ているなど、かなり息の長い人気シリーズのようだ。
そしてベッソンはこの原作の映画化を以前から希望していた
が、最初は別の監督が映画化を進めていて断念。その計画が
頓挫した後は、今度は原作者が映画化を渋るなどしたために
実現まで10年を費やしたとのことだ。
従って本作は、ベッソンにとって念願の企画の実現となるも
ので、それが先の引退宣言を翻させた理由でもありそうだ。
その辺のことを、試写会の後に開催予定だった記者会見で聞
きたかったのだが、火山の噴火の影響で監督の来日が取り止
めになってしまったのは残念。
映画の物語の発端は、1911年パリ。そこで行われていた何や
ら怪しげな実験で博物館に展示されていた太古の化石の卵が
孵化、その影響で死亡事故が起きてしまう。一方、人気作家
のアデルは次作の取材のためペルーに向かうはずが、何故か
エジプトでミイラの発掘をしていて…
内容は、正しく女性版インディ・ジョーンズという感じで、
仕掛け一杯のピラミッドや怪しげなオカルト実験が、映画の
全編に亙ってVFXも満載で描かれる。しかもそのヒロイン
が、目的のためには多少の悪事は意に解さないという辺りも
インディさながらという感じだ。
ただ、その彼女を動かす原動力みたいなものが多少重い感じ
なのは、ハリウッドではないヨーロッパ映画の感触とも言え
そうだ。その他にも、一緒に観た知人は「倫理観の違い」と
表現していたが、そんなシーンが観られたりもした。
でもまた、映画の中にはユーモアも大量に仕込まれていて、
その辺のバランス感覚は特に後半に絶妙に活かされている。
従って映画を鑑賞後の感じは悪いものではなく、むしろカタ
ルシスもあって良い感じになっていた。
出演は、テレビ番組の気象キャスター出身で、すでに2008年
のセザール賞有望若手女優にもノミネートされたルイーズ・
ブルゴワン。飛び切りの美人という訳ではないが、親しみの
湧きそうなニューヒロインの誕生だ。
他に、2005年『ミュンヘン』などに出演のマチュー・アマル
リック、2007年7月紹介『ナルコ』の脚本・監督で注目した
ジル・ルルーシュらが共演している。
『にくめ、ハレルヤ!』
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(通称:阪神淡路
大震災)の10年後の神戸を舞台にしたドラマ。
主人公は、大震災を題材にした映像に音響を付ける作業をし
ている。そんな主人公はある日、痴呆の祖母が家を抜け出し
たという連絡を受ける。そしていち早く祖母を見付けた主人
公は、祖母の口からサキという妹の名前を聞かされる。
ところがそんな妹の記憶など無い主人公。しかしその直後に
「サキ」と呼ばれる少女と出会う。その少女は10歳ぐらい、
震災の頃に生まれていたら丁度の年格好だった。そして継母
から虐待を受けているという少女の言葉に、主人公は少女を
連れて逃亡を開始する。
主人公は震災で父母を亡くしており、少女も同じ境遇のよう
だ。そんな2人の逃亡の過程で、震災の直後にNPOを立上
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04月25日(日)
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