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On the Production
by 井口健二
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■ブライト・スター、パリより愛…、BEAUTIFUL ISLANDS、書道ガールズ、プリンス・オブ・ペルシャ、トイレット、BECK+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『ブライト・スター/いちばん美しい恋の詩』
                    “Bright Star”
1993年の『ピアノ・レッスン』で、女性監督初のカンヌ国際
映画祭パルム・ドールを獲得したニュージーランド出身ジェ
ーン・カンピオン監督の最新作。25歳で夭逝した英国詩人ジ
ョン・キーツの晩年を、婚約者だったフランシス・ブーロン
の目を通して描く。
カンピオン監督の作品では、2003年5月に『ホーリー・スモ
ーク』と、2004年2月に『イン・ザ・カット』を紹介してい
るが、彼女自身、長編の監督作品はその後者以来となる作品
のようだ。
物語は1818年、キースが23歳でロンドン郊外ハムステッドに
あった友人チャールズの家に転居した頃から始まる。その近
所に住むブローン家の長女フランシス“ファニー”ブーロン
はまだ売れない詩人だったキースに心を惹かれ、徐々に2人
の恋心を育んで行く。
しかし、結核で病弱の弟の看病もしながら詩作を行うキース
には財力もなく、母子家庭のブーロン家としても、長女をそ
のような男に嫁がせることは出来なかった。それでも2人の
恋心は燃えつきることはなかった。
ところが弟が病死した後、キースにも同じ病魔が襲い、友人
たちは南国イタリアへの転地療養を勧めるのだったが…
今でこそ愛の詩人として謳われるジョン・キースだが、その
生前は恵まれていなかったようだ。しかしそんな中で育まれ
る一途な愛が詩人に最高の愛の詩を書かせる。そんな悲しく
も美しい愛が描かれて行く。
カンピオンの作品では、以前に紹介した2作などもかなり激
しい描写があったように記憶しているが、本作では実に静か
に若い2人の愛が描かれている。全体の描写はどちらかと言
うと淡々とした感じだが、それが終盤で一気に盛り上がる演
出は見事だった。
出演は、2007年7月に紹介した『プロヴァンスの贈り物』に
出演のアビー・コーニッシュと、同年1月に紹介した『パフ
ューム』に主演のベン・ウィンショー。他に、2003年12月紹
介『ギャザリング』のケリー・フォックス、2007年12月紹介
『ジェシー・ジェイムズの暗殺』のポール・シュナイダーら
が共演している。
なお、撮影はイギリス・ベッドフォードシャーに建つ2軒の
家を使って四季に亙って行われており、その周囲の美しい自
然の描写も見事だった。さらに室内の撮影でもライティング
などに細心の注意が払われていたようだ。
また、主人公が裁縫上手という設定で、その衣裳には素朴な
がらも見事に時代と美しさが表わされており、アメリカアカ
デミー賞の衣裳デザイン賞にノミネートされたことも納得で
きる作品だった。

『パリより愛をこめて』“From Paris with Love”
昨年6月紹介『96時間』のピエール・モレル監督の新作。
前作同様リュック・ベッソンの原案から、向かう所敵無しの
強烈なアクションが展開される。
主人公はフランス駐在アメリカ大使館で大使の補佐官を務め
る男性。典型的な文官だが、陰では使用する車のナンバープ
レートを偽装したり、そのトランクには暗証で開くケースに
銃器が隠されていたり…そして自宅のアパルトマンには恋人
も同棲している。
そんな主人公に新たな指令が下る。それは空港の税関で足止
めされているエージェントの入国を援助すること。そして税
関を訪れた主人公が目にしたのは、ドリンク缶の持ち込みで
揉めているスキンヘッドで大柄な態度の男だった。
その場を外交官特権で切り抜けた主人公は、その男の指示す
るままに中華街のレストランにその男を連れて行くが…。そ
こでいきなり銃撃戦が始まり、男はそのレストランの従業員

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04月18日(日)
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