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On the Production
by 井口健二
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■幸福の黄色い…、グリーン・ゾーン、誘拐ラプソディー、スナイパー、川の底からこんにちは、てぃだかんかん、ねこタクシー、処刑人U
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。    ※
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『幸福の黄色いハンカチ:デジタルリマスター』
『イエロー・ハンカチーフ』“The Yellow Handkerchief”
33年前の1977年10月に公開され、その翌年に行われた第1回
日本アカデミー賞で主要部門を独占した作品が、ハリウッド
でリメイクされて凱旋公開。同時にオリジナルも最新のディ
ジタル技術でリマスターされて再公開が行われる。
ピート・ハミルの原作は、ヴィエトナム戦争時代に帰還兵を
待つ妻たちに取材した物語だったそうだが、33年前の映画化
では刑期を終えて出所したばかり男が主人公になっている。
その男には刑に服する前に妻がいたが…
一方、ちょっと世間を拗ねている男と訳ありらしい女の2人
の若者が偶然出会い、男の車で旅を開始する。その旅に出所
したばかりの中年の男が加わって、中年の男が昔暮らした町
に向かうことになる。
その旅の道すがらで3人の過去が徐々に語られて行く。
この中年男を、この作品で主演賞を受賞した高倉健が演じ、
若者の男に映画初出演の武田鉄矢、女に桃井かおりが扮して
それぞれ助演賞を受賞している。他に倍賞千恵子、渥美清ら
が出演。またちょい役でたこ八郎らの姿も観られた。
物語はロードムーヴィの形を取り、北海道各地の名勝が登場
する他、そこに挿入される回想シーンでは北海道の四季も描
かれている。それはじっくりと描かれた作品であり、また今
に観ると夕張の炭住など、歴史が描かれた作品でもある。
そしてリマスターでは、画面の傷などの修復や退色した色彩
の補正・調整なども行われて、往年のフィルムの鮮やかさが
戻っている。また、音声もモノラル音源のまま再調整が行わ
れているそうだ。
という作品が、2008年にハリウッドでリメイクされた。
こちらは、1985年の『蜘蛛女のキス』で英米のアカデミー賞
を始めカンヌ映画祭の主演賞も受賞したウィリアム・ハート
が主演。相手役には2008年2月紹介した『美しすぎる母』の
エディ・レッドメイン、『ザスーラ』や『トワイライト』で
人気沸騰のクリスティン・スチュワート。さらにマリア・ベ
ロらが共演している。
物語は、日本映画とほとんど同じで正にリメイクといった感
じもの。上映時間が多少短い分エピソードが短縮されたり省
かれてはいるが、主人公がビールを飲むシーンから警察での
やりとりまで、2作を続けて観ていると可笑しくなるほど同
じだった。
特に違いと言えば、桃井かおりがゲスト出演しているシーン
と、写真に絡めたシーンぐらいかな。また妻の過去の経緯が
オリジナルより明確に描かれていたようだ。これはオリジナ
ルを観たときにもそんなニュアンスかなとも思っていたもの
だが…

『グリーン・ゾーン』“Green Zone”
『ボーン・アルティメイタム』などのポール・グリーングラ
ス監督、マット・デイモン主演のコンビで、湾岸戦争直後の
イラク・バグダッドを舞台に、開戦の理由とされた大量破壊
兵器の行方を追う兵士たちの姿を描いた物語。
現在の認識では、イラクにおける毒ガス兵器など大量破壊兵
器の存在は全く虚偽の情報であり、戦争の大義も実は存在し
ていなかったことになるものだが、アメリカ軍のバグダッド
進攻直後には、何時その兵器が発見されるのか世界中が固唾
を呑んでいたものだ。
しかし結局それらの兵器は存在せず、誰かが嘘を吐いてブッ
シュに大量破壊兵器の存在を信じ込ませ、戦争に駆り立てた
という筋書きが間違いないようだ。それなら一体誰がその嘘
を吐いたのか、この映画はそれに1つの回答を与えてくれる
ものとなっている。
バグダッドに派遣された主人公の任務は、大量破壊兵器の発

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02月28日(日)
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