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On the Production
by 井口健二
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■獄に咲く花、RAILWAYS、ローラーガールズD、ドン・ジョヴァンニ、ウルフマン、クロッシング、ニンジャアサシン、Gフォース(追記)
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『獄に咲く花』
現在放送中のNHK大河ドラマにも登場した吉田松陰。その
松陰(通称:虎次郎)の黒船への密航失敗後の生涯を描いた
作品。
安政元年(1854年)。松陰は密航を企てた罪で長州藩・野山
獄に幽閉される。そこでは外部との出入りは禁止だが、各独
房の扉に鍵はなく、囚人たちは自由に交流が可能だった。し
かし松陰が投獄されたときの獄舎内は荒んでいたという。
その野山獄には1人の女囚がいた。その名は高須久。彼女は
部落民を家に招き入れた罪で投獄されたとあるが、その際に
は「私は平人同様に扱っただけである。これが悪ければ仕方
がない」と語ったという。
そんな松陰と久との交流を軸に、野山獄に収監された人々に
希望をもたらした松陰の影響力、そして開国前夜の日本の姿
が描かれる。
映画の製作はグローカル・ピクチャーズ。この会社は2006年
12月に紹介した映画『長州ファイブ』も手掛けており、本作
はその第2弾となるものだが、いずれも幕末期の長州藩の偉
人たちを描いている。
また本作の物語は、古川薫の直木賞候補作「野山獄相聞抄−
吉田松陰の恋」を基にしているが、中で交わされる和歌など
は実際に松陰と久が交わしていたものだそうで、そこから推
察するに2人の恋心は史実に基づいているのだそうだ。
ただし、そういう物語なので松陰自身の歴史的な背景などは
多少割愛されていて、特に老中暗殺計画の下りなどは、長州
の人にはこれでも良いのかも知れないが、僕のような外部の
人間には、何故突然そうなったのかなど映画だけでは分り難
くい部分もあった。
でもまあその辺をネットで調べていて、特に高須久という女
性にはかなり興味を持った。実は上記の投獄の際の台詞もネ
ットで見つけたものだが、その他にも長州にはいろいろな女
傑がいたようで、グローカル・ピクチャーズの次回作には、
ぜひとも彼女達のことも描いて欲しいと思ったものだ。
出演は、久役に目黒祐樹の娘の近衛はな、松陰役は『長州フ
ァイブ』にも出ていた山口出身の前田倫良。他に目黒祐樹、
赤座美代子、池内万作、勝村政信、仁科貴、本田博太郎、神
山繁らが共演している。
『RAILWAYS』
49歳でエリートサラリーマンの道を捨て、故郷で地方鉄道の
運転士になるという男の夢?を描いた作品。
主人公は、東京の企業で次期取締役の席も用意されている企
画室長という肩書のサラリーマン。しかし、その席に着くた
めには同期の親友が長を務める工場の閉鎖とリストラを推進
する立場となる。
そんな主人公に故郷で一人暮しをしていた母親が倒れたとの
報が届き、仕事を中断してその病室に向かうが、さらにいろ
いろな想いが彼の心を苛んで行く。そして彼は、エリートサ
ラリーマンの道を捨て子供の頃からの夢だった電車の運転士
になることを志す。
出演は、中井貴一、本仮屋ユイカ、高島礼子、奈良岡朋子、
三浦貴大。三浦は友和・百恵夫妻の次男で本作が俳優デビュ
ーだそうだが、かなりしっかりとした演技をしている感じが
した。
他に、橋爪功、佐野史郎、宮崎良子、遠藤憲一、中本賢、甲
本雅裕、渡辺哲、緒形幹太、石井正則、笑福亭松之助らが脇
を固めている。
脚本監督は、2006年7月紹介『ミラクルバナナ』などの錦織
良成。脚本には、『L change the World』などの小林弘利と
テレビシリーズ『相棒』などを手掛けるブラジリィー・アン
・山田が参加。
製作総指揮は、『ALWAYS三丁目の夕日』などの阿部秀司。い
つもはVFX満載の作品が多い製作者だが、今回は島根県に
実在する一畑電車(畑電)を舞台に、昭和初期から現役80年の
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02月21日(日)
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