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On the Production
by 井口健二
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■後ろから前から、闇の列車光の旅、ダレン・シャン、アーサーと魔王マルタザールの逆襲、ビバ!ラブ、空を歩く少年+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。なお、文中※
※物語に関る部分は伏せ字にしておきますので、読まれる※
※方は左クリックドラッグで反転してください。 ※
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『後ろから前から』
「ロマンポルノRETURNS」と題された企画シリーズの
第2弾。
前々回紹介の第1弾同様、往年の「にっかつロマンポルノ」
の作品と同じ題名を冠された作品で、今回は1980年末に公開
されて話題になった畑中葉子の主演作が、新たなスタッフ・
キャストで再製作された。
ただしこの作品も、物語はオリジナルとは異なっているが、
オリジナルより題名には合っていそうな感じのものだ。
主人公は女性タクシー運転手。しかし営業成績が上がらず、
営業所長からは文句を言われ続けている。そんな彼女に同僚
の女性運転手が、「女性の武器を使ったら…」とアドヴァイ
ス、それを実行してたちまち成績は伸び始めるが…
その所業がばれて会社は馘首。さらに売春容疑で警察にも追
われる羽目に。ところが最後の客と思って乗せた男性客に熱
海までの遠出を頼まれ、そこに向かう道中の道すがら、お互
い胸に秘められた過去が解き明かされて行く。
オリジナルは暴走族の話だったから全くお話は違うが、本作
では乗用車の玉突き事故で、正しく後ろから前から衝突され
るシーンがあるなど、ちゃんと題名が物語の中にもはまり込
んでいるものだ。
それに本作では、脚本監督を、昨年11月紹介した『板尾創路
の脱獄王』で共同脚本に参加していた吉本興業の増本庄一郎
が担当して、ロマンポルノの中でもコメディ路線を復活させ
たものにもなっている。
とは言うものの、映画の前半では物語を追おうとするあまり
かギャグが空回り気味で、後半にアヴァンギャルドなシーン
や、名作のパロディなどで持ち直しはするが、できれば前半
からこれくらいのパワーで飛ばして欲しかった。
主演は、3代目『ミニスカポリス』で人気を得た宮内知美。
オリジナルの当時話題になった主題歌(オリジナルは歌が先
で、そこからのインスパイアで映画が作られた)もリメイク
されており、宮内の人気での観客動員は期待できそうだ。
なお、本作も日活と衛星放送スカパーの共同製作によるもの
で、2月27日から劇場公開と同日でPPVによる放送も開始
されることになっている。
『闇の列車、光の旅』“Sin nombre”
ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナが製作総指揮
を担当し、2009年のアメリカ・サンダンス映画祭で監督賞と
撮影監督賞を受賞したメキシコ映画。
ホンジェラスを出発、グアテマラとメキシコを経由して、徒
歩と貨物列車の屋根への無賃乗車でアメリカ国境を目指す少
女。その違法移民者を狙って金銭を巻き上げようとするメキ
シコのギャング団。そのギャング団の若者と少女との出会い
がドラマを作り出す。
主人公自身は違法移民であるから、正しいものではないが、
その苦難の旅程が丁寧に描かれている。そしてそこで育まれ
る愛情や信頼が美しくも厳しく描かれた作品。その物語は各
地の映画祭での受賞や映画賞でのノミネートもうなずける。
脚本監督はキャリー・ジョージ・フクナガ。名前の通り日系
3世の新人監督だが、ニューヨーク大学で映画を学び、撮影
監督として北極圏から西アフリカまで旅した経験があるとの
こと。
その監督が、違法移民がトラックに閉じ込められたままアメ
リカ国内を移送中に窒息死した事件を描いたショートフィル
ムを企画し、その背景を調べるためにメキシコなどでの調査
を行った際に、その調査の中で浮かび上がってきたのがこの
物語だそうだ。
そしてそのショートフィルムがサンダンス映画祭で上映され
た際に、監督はその物語を描いた長編映画の脚本をサンダン
ス・ラボに提出することを勧められ、その結果、この映画が
完成されたとのことだ。
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02月07日(日)
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