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On the Production
by 井口健二
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■第181回
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。    ※
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 新年最初ということで、試写会も有りませんでしたので、
久し振りにニュース欄を復活します。
 まずは嬉しいニュースで、特にSF/ファンタシー映画の
分野で活躍する2人の映画人に、それぞれサーの称号が贈ら
れることが発表された。
 1人目は、『新スタートレック』のピカード艦長や『X−
メン』のプロフェッサーX役でお馴染みの俳優パトリック・
スチュアートに英国女王からサーの称号が贈られることが発
表された。受賞の理由は「ドラマへの貢献」とされており、
元々がシェークスピア俳優でもあるスチュアートにはいろい
ろなドラマへの貢献が有ると思うが、イギリスはともかく、
アメリカだとドラマ=テレビドラマという感覚が強いから、
これは『新スタートレック』の評価ということでも考えたい
ところだ。それにしては少し遅いが。
 なお、サー・スチュアート本人からは、「大変な喜びで、
非常に光栄に思う」とのコメントが発表されている。因に、
先にサーの称号を授与された『X−メン』の共演者のサー・
イアン・マッケランにはSerena(高貴な人)というニックネ
ームが有るそうで、今後は2人ともそうなってどうするのか
という問題も有るようだ。
 そして2人目は、そのマッケランが出演した『LOTR』
3部作で世界的ヒットを飛ばしたピーター・ジャクスン監督
に対して、母国ニュージーランド政府からサーの称号が贈ら
れることが発表された。因に、ニュージーランドは英連邦の
一員なので、この称号もイギリス女王から贈られることにな
るのかな。
 こちらの授与の理由は「映画への貢献」とのことで、特に
『LOTR』が同国へもたらしたいろいろな影響が高く評価
されたようだ。同作では、2004年のアカデミー賞を総浚えす
るなどニュージーランド映画界の名前を一躍高めたが、さら
にロケ地ツアーなどの観光事業への貢献も高いようで、いろ
いろな意味での貢献度は高そうだ。サー・ジャクスン本人か
らは、「自分の人生で2004年のオスカー受賞以上のサプライ
ズは無いと思っていたが、間違いだった」というコメントが
発表されている。
        *         *
 人に受賞に続いては作品の選出で、毎年年末に発表される
アメリカ国会図書館が選定する「保存すべき映像」2009年版
の25本に、1957年製作の“The Incredible Shrinking Man”
(縮みゆく人間)が選出された。
 『アイ・アム・レジェンド』などの原作者のリチャード・
マシスンが自らの小説を脚色し、脚本家として初めて映画に
関った作品としても記憶される本作は、翌年のアメリカSF
大会で授与されるヒューゴー賞のドラマ部門を受賞、ファン
の間では最初から高く評価されていたものだ。その作品が、
今回は公的な機関から選定を受けたもので、その事実は単純
に喜びたい。
 因に今回の選定では、この他に1979年製作の“The Muppet
Movie”、1983年製作のPV“Thriller”なども一緒に選ば
れている。また、1911年に実写とアニメーションの合成を成
功させた“Little Nemo”という作品も選定されている。な
お、過去の選定作品については、昨年1月1日付の本ページ
もご参照ください。
        *         *
 さて、めでたい話はこれくらいにして、次は製作ニュース
と行きたいところだが、実は年末は海外もクリスマス休暇な
どでめぼしい情報が少ない時期。そんな中でサー・ピーター
・ジャクスンが主宰するウェタ・ワークショップから新たな
ファンタシーシリーズの映画化権の獲得が報告された。
 報告されたのは、イギリス在住の作家イラストレーターの
フィリップ・リーヴが2001年に発表した“Mortal Engins”
という作品。すでに6巻が発刊され2010年には第7巻の刊行

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01月03日(日)
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