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On the Production
by 井口健二
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■プリンセスと魔法のキス、COACH、マザー・テレサ、ランニング・オン・エンプティ、アンダンテ、半月、フィリップ、ハンナ・モンタナ+他
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『プリンセスと魔法のキス』
             “The Princess and the Frog”
ピクサー製ではないディズニー・アニメーションの最新作。
童話の“The Frog Prince”(カエルの王子)をモティーフ
に新たなプリンセス物語が構築された。
物語の背景はジャズエイジのニューオルリンズ。白人と黒人
との貧富の差が未だに大きな時代。そして物語の主人公は、
大きな白人のお屋敷でメイドとして働く貧しい黒人の少女。
しかし彼女には父親が果たせなかったレストランを開くとい
う夢があった。
そんなある日のこと、ヨーロッパから1人の王子が来訪し、
お屋敷では歓迎の仮装舞踏会が開かれる。ところがそこで働
いていた主人公の前に1匹のカエルが現れ、「自分は魔法で
変身させられた王子、キスをしてくれたら魔法が解ける」と
告げる。
そこで主人公は意を決してキスをするのだが…実は魔法を解
くことができるキスはプリンセス限定で、そうでないキスの
結果はもっと恐ろしいことに…。こうして主人公とカエル王
子の大冒険が始まる。果たしてこの物語は、一体どのような
ハッピーエンドを迎えられるのか?
脚本と監督は、『リトル・マーメイド』『アラジン』も手掛
けたジョン・マスカーとロン・クレメンス。前の2作は一応
オリジナルに沿った物語だったが、今回は全く新しい、今ま
でになかった物語が展開される。
そんな映画の全体は、古き良き時代のディズニー・アニメー
ションという感じだが、魔法がブードゥー教という辺りから
ニヤリとしてしまう。さらに結末は見事で、成程そういうこ
とだったのかと思わず頷いてしまったものだ。
なお声の出演では、『ドリーム・ガールズ』に出演していた
アニカ・ノニ・ローゼと、ブラジル出身のブルーノ・カンポ
スが主人公2人を演じる他、オープラ・ウィンフリー、テレ
ンス・ハワード、ジョン・グッドマンらが脇を固めている。
また音楽は、アカデミー賞常連のランディ・ニューマンが担
当。楽曲には今話題のR&BアーティストNi-Yo(ニーヨ)
も参加しているとのことで、今年度のオスカーにも名を連ね
るかな。
因に作品は、すでにゴールデン・グローブ賞の長編アニメー
ション部門にノミネートが発表されているようだ。

『COACH』
1967年生まれ、現在は新横浜プリンス・スケートセンターの
インストラクターを務める傍ら、オリンピック代表選手・安
藤美姫のサポートコーチなども担当しているプロフィギュア
スケーター西田美和を主演に迎えたスポーツドラマ。
主人公は、以前にはオリンピック代表の最終選考まで進んだ
フィギュアスケーター。しかし確実視されていた選考会の直
前に失踪し、その後はアイスショウのダンサーや子供相手の
スケート教師などをして暮らしている。そして、現在40歳に
して独身。
そんな彼女が、指導の方針を巡って後輩の反発にあったり、
生徒の父兄からも批判を浴びたり、さらに昔の恋人から自分
が生んだ訳でもない娘を押しつけられたりもしてしまう。そ
んなこんなで自信を失い始めていた彼女の前に、鬼と呼ばれ
た昔のコーチが姿を現す。
ということで、40歳の現役最年長と言われるプロスケーター
が再びオリンピックに挑戦するという物語が描かれる。もち
ろんこれはフィクションです。
映画の成立は、最初に西田の主演ありきという感じだったよ
うで、『ロッキー』をモティーフにしたと思われる展開は、
多少無理はあるが。まあ仕方ないかなあという感じのもの。
ただし、監督に意識がどの辺にあるかは判らないが、最近の
フィギュアスケート事情に一石を投じる感じがしたのは僕の
勘繰りだろうか。
というのも、本作の中に1990年に競技としては廃止されたコ
ンパルソリー・フィギュアへの言及があり、氷上に西田が見

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12月20日(日)
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