ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460224hit]
■スノー・プリンス、T・ベルと月の石、インフォーマント!、ファイナル・デス・ゲーム、おとうと、パチャママの贈りもの+製作ニュース他
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『スノー・プリンス』
『東京タワー』の松岡錠司監督と『おくりびと』の小山薫堂
脚本による作品。昭和11年と現代を背景に、貧乏で学校にも
行けないけれど絵の上手い少年と、その町で事業を営む金持
ちの娘との禁じられた恋物語が描かれる。
物語は、現代のクリスマスの日、とある女性の許に書類袋に
入った古い原稿用紙の束が届けられるところから始まる。そ
の原稿用紙には、戦前の田舎町を舞台にした少年と少女の交
流が綴られていた。
その少年には両親がなく、老いた祖父と共に炭焼き小屋で暮
らしている。そんな少年は尋常小学校にも行けなかったが絵
を描くことが好きで、その絵はヨモギの葉の汁など祖父手造
りの絵の具で描かれていた。
そして少女は、そんな少年の真剣に絵を描く横顔を見ている
のが好きだった。しかし少女の父親は、娘がその少年に近づ
くことが疎ましく、そのためことあるごとに少女には「彼に
近付くな」と申し渡していた。
そんな田園の村にある日サーカスがやってくる。ところが、
少年の祖父は彼がサーカスを観に行くことを禁じる。それで
も少年と少女はこっそりとサーカスに潜り込んでしまうのだ
が…これに2人が拾った犬の成長などが絡んで物語は進んで
行く。
山形県庄内でロケーションされた雪景色の田園風景、これも
日本の原風景の一つと言えそうだ。そんな田園風景の中での
淡い恋心と、その恋心を邪魔する障害と、そこに差し伸べら
れる救援の手などを描いた物語が展開される。
主演は、ジャニーズJr.の森本慎太郎とマクドナルドCMな
どの桑島真里乃。共演は、香川照之、檀れい、中村嘉葎雄、
浅野忠信、山本學、岸恵子、マイコら。
それにしても、貧乏だが絵の上手な少年と犬と…どこかで聞
いたようなお話だが、本作は最初から日本版『フランダース
の犬』を謳っているものだ。その他にも子供だけの冒険行で
蒸気機関車に追い掛けられるなど、見たようなシーンはある
がそれもご愛嬌だろう。
つまり、いろいろあるけど取り敢えずは上記した日本の原風
景のような背景の中で、切ない恋物語が展開される。それだ
けで充分な作品だろうし、その線ではよくできている作品で
あることは確かなものだ。
『ティンカー・ベルと月の石』
“Tinker Bell and the Lost Treasure”
昨年9月に紹介した『ティンカー・ベル』に続くシリーズの
第2話(秋編)。
前作で自分の成すべき仕事に目覚めたティンカー・ベル(テ
ィンク)は、さらに才能を発揮していろいろ新しい装置など
も開発しているらしい。そんなある日のこと、ティンクは妖
精の女王に呼ばれて新しい仕事を与えられる。
それは、秋の満月を迎える祭典で掲げられる「聖なる杖」を
作ること。折しも今年は8年に1度の青い月の昇る年で、そ
の月光を月の石に当てることで、妖精たちの命の糧でもある
「妖精の粉の樹」を育てる青い妖精の粉が作られるのだ。
その月の石を掲げるときの台座となるのが「聖なる杖」で、
それは8年ごとに作り直され、その仕事が今回はティンクに
依頼されたのだ。そんな名誉ある仕事に大喜びのティンク。
そして彼女は親友で妖精の粉に詳しいテレンスの協力も得て
仕事を始めるが…
例によってオリジナルの『ピーター・パン』のキャラクター
と同様に癇癪持ちのティンクがやらかす失敗と、それを糊塗
しようとしたために生じるさらなる困難。それらがティンク
を冒険の旅へと誘って行く。
前作はティンク誕生までの物語だったが、本作からはシリー
ズ(フランチャイズ)としての個々の冒険物語が展開されて
行くことになるようだ。まあお話は他愛ないものだが、そこ
には冒険あり友情ありの正にディズニーの世界が繰り広げら
れている。
[5]続きを読む
10月11日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る