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On the Production
by 井口健二
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■ASSAULT GIRLS、ホワイトアウト、ゼロ年代全景+製作ニュース
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ASSAULT GIRLS』
2008年5月に紹介した『スカイ・クロラ』押井守監督による
2001年『アヴァロン』以来となる長編実写作品。『アヴァロ
ン』と同じく仮想現実のゲーム世界を描く。因に本作の舞台
となるゲーム世界はAvalon(f)と名付けられている。
また、本作に先行して押井監督は、2007年10月紹介の『女立
喰師列伝』で「ASSAULT GIRL」、2008年11月紹介の『斬』で
は「ASSAULT GIRL 2」という作品を発表しており、本作はそ
の集大成となるもののようだ。
物語の舞台は荒野を模した仮想空間。その荒野には砂地を潜
行する巨大モンスター=スナクジラがいて、プレイヤーたち
はそのモンスターを倒すことによって現実世界でも通用する
賞金が得られるものだ。
その荒野に4人のプレイヤーが挑んでいた。グレイ、ルシフ
ァ、カーネル、そしてイェーガーと名告る彼らは、それぞれ
が独自の戦法や装備で次々にモンスターを倒していたが、そ
のステージ最大のモンスター“マダラ”を倒すことができな
い。
その“マダラ”を倒せば、プレイヤーは巨額の賞金を手にす
ると同時に、さらなる高みのステージへと進むことができる
のだ。そしてゲーム全体を監視するゲームマスターからは、
彼らにチームを組むことが提案されるが…
このプレイヤーたちを、2007年作の佐伯日菜子、2008年作の
菊池凛子、そして新たに黒木メイサ、さらに押井作品には常
連の藤木義勝が演じ、特に女優3人は体形にピッタリのボデ
ィスーツに身を包み、召還獣や戦闘機、また自らの翼などを
駆って闘いを繰り広げる。
『アヴァロン』の時は現実世界のとの繋がりがいろいろあっ
て、その辺で多少の混乱が見られたが、今回はそのような部
分は一切なし。まあ台詞ではちょっとあったりはするが、ま
ず純粋にゲーム世界での物語が構築されている。
押井監督自身は、最終的には『LOTR』のような壮大な異
世界ファンタシーを撮りたいとのことで、本作はその準備の
一環でもあるようだ。そして本作をクリアできれば、映画製
作も次のステージに進めるというところかも知れない。
描かれているゲーム自体には、今年4月12日付で報告してい
る『ワンダと巨象』に似たような印象も受けたが、計画され
ている同作の映画化が公開されたら、それとの比較もしてみ
たいものだ。
『ホワイトアウト』“Whiteout”
南極点に建つアムンゼン・スコット基地を舞台に、極限状況
の地で起きた殺人事件の顛末を、『アンダーワールド』など
のケイト・ベッキンセール主演で描いた作品。
主人公は米国所管の基地に派遣されている女性保安官(US
マーシャル)。彼女はとあるトラウマからその厳しい任地に
赴いていたが、その任務は泥酔者の処理など平凡でつまらな
いものばかり、しかしその任期も終盤に近づいていた。
そんな現地では暴風の襲来が予報され、帰国の最終便が繰り
上げられることになる。ところがそこに遺体発見の報告が届
き、帰国の準備も片手間に現場に向かった彼女は、それが殺
人事件の被害者であることを確認する。
果たして彼女は事件を解決して帰国便に乗り込むことができ
るのか。さらに事件の報告を受けて基地司令からは基地の全
員に対する退去命令が下され、それは乗り遅れた場合には孤
独な越冬を強いられることを意味していた。
原作はOni Pressという出版社から刊行されたグラフィック
ノヴェルとのことで、お話自体はかなり荒っぽいが、見た目
のハラハラドキドキ感はかなり見事に描かれている作品だ。
特に極限状態の南極の恐ろしさはかなり強烈なものだった。
何しろ手袋を忘れたら手を失い、防寒具なしでは数分で死に
至るという極限状態でのアクションドラマ。しかも撮影は、
さすがに南極点の現地ロケではないものの、カナダのマニト
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09月27日(日)
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