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On the Production
by 井口健二
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■ドゥームズデイ、ゴー・ファースト、バスティン・ダウン・ザ・ドア、カムイ外伝、96時間
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ドゥームズデイ』“Doomsday”
正体不明の致死性ウィルスの蔓延によりスコットランド全域
が隔離された近未来(?)のイギリスを描いたパニックアク
ション。
イングランド−スコットランド間の国境線に壁が設けられ、
海上も封鎖されてスコットランド全体が隔離状態にされる。
そして何年かが経ち、人々の記憶からもスコットランドが消
えようとしたとき、重大な事態が起きてスコットランドに調
査隊を送る必要が生じる。
そこに選ばれたのは、隔離の寸前にスコットランドを辛くも
脱出した女性。当時はまだ幼女だった彼女が成長し、特殊部
隊を率いて現地に乗り込むことになる。ところが辿り着いた
場所は、現代文明が途絶した異様な世界だった。
ということで、すでにいろいろな近未来終末物の映画で描か
れて来たようなものも含め、ある種ごった煮状態の不思議な
世界が展開される。そこには少なくとも3本の近未来映画の
影響が観られるようだ。
それにしても、イギリスを舞台にする近未来物というのは何
か不思議なムードが漂う。それは以前にも書いたと思うが、
イギリスSFには終末物の伝統のようなものがあって、その
影響もあるかも知れない。それと、やはりアメリカとは違う
歴史の重みのようなものも感じられるところだ。
因に本作は、アメリカのローグ・ピクチャーズ製作だが、脚
本・監督のニール・マーシャル以下、撮影、美術、編集など
の主要スタッフはイギリス人で固められているものだ。
また俳優にも主にイギリス人が起用されて、主演は『アンダ
ーワールド:ビギンズ』などのローナ・ミトラ。その脇を、
『ロジャー・ラビット』などのボブ・ホスキンス、『ココ・
シャネル』のマルカム・マクダウェルらが固めている。最近
はハリウッドで活躍する彼らも、元は全員がイギリス映画の
出身者だ。
とは言えこの映画では、突然中世の騎士物語風になったり、
あるいは終末世界物風になったり、目まぐるしく情景も変化
する。それはかなりのサーヴィス精神というか、その様々な
雰囲気の世界を観るだけでも充分に楽しめる作品になってい
るものだ。
なお野外シーンの撮影は主に南アフリカで行われているそう
だが、荒涼とした雰囲気が結構様になっていた。
『ゴー・ファースト/潜入捜査官』“Go Fast”
ヨーロッパにおける麻薬捜査の模様を描いた実話に基づくと
されるアクション作品。
主人公はフランス警察の潜入捜査官。宝石強盗団に潜入して
所定の成果を挙げた彼は、次の麻薬捜査では裏方に回らされ
る。ところが撤収の際のミスで同僚刑事が殺害され、無理を
承知で逮捕した連中も、証拠不充分で釈放されてしまう。
そんな彼に麻薬組織への潜入捜査のチャンスが訪れる。その
チャンスに賭けた主人公は、元々得意だった運転技術に磨き
を掛け、さらにその他の特殊な訓練も受けて、前の宝石強盗
事件での逃亡犯という触れ込みで、裏社会へと入って行く。
やがてそんな彼の許へ、スペインからフランスへの麻薬運搬
の仕事が舞い込む。それは、スペインのマラガで大量の麻薬
を積み込んだ車を運転し、斥候と呼ばれる先導車の指示に従
って時速200kmで高速道路を突っ走るというものだった。
そしてスペイン/フランス両警察の監視体制の下、主人公の
運転する車は一路フランスに向け疾走を開始するが…その麻
薬運搬の仕事には、証拠不充分で釈放された刑事殺しの犯人
も関っていた。
『トランスポーター』『TAXi』の両シリーズを展開して
いるリュック・ベッソン率いるヨーロッパ・コープ製作の作
品で、本作でも見事なドライヴィング・テクニックのカーア
クションが描かれる。
ただし今回は実話に基づいているとのことで、フランス警察
に25年勤務する傍ら作家としても活躍しているジャン=マリ
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06月28日(日)
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