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On the Production
by 井口健二
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■ターミネーター4、コネクテッド、地下鉄のザジ、ウィッチマウンテン+製作ニュース他
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ターミネーター4』“Terminator Salvation”
1984年にジェームズ・キャメロンの監督によって始められた
シリーズが、『チャーリーズ・エンジェル』などのMcG監督
の手で新たな展開の許、再開された。
新たな展開と言っても、物語は以前のシリーズでは未来から
の戦士たちによって語られてきた「審判の日」が発動された
その後の世界を描いているもので、ファンにとっては「いよ
いよ来たか」という感じもするものだ。
その「審判の日」の発動は前作『T3』でも描かれたものだ
が、実は昨年10月と11月に紹介したテレビシリーズ版では、
その発動は阻止されたことになっている。
しかし今回の脚本は、『T3』も手掛けたジョン・ブランカ
トー&マイクル・フェリスが担当したもので、その舞台は、
2004年の「審判の日」の発動から14年後の2018年となってい
るものだ。
ただし、映画の中ではテレビシリーズにも配慮したのかその
発動の日は21世紀初頭とぼやかされていたようだ。そして、
遂に始まった人類とマシーンズ(スカイネット)との絶望的
な戦いが描かれて行く。
その再開第1作は、シリーズ主人公のジョン・コナーと、以
前の第1作で未来から送り込まれたカイル・リースとの出会
いまでを描くもので、ここではまだコナーは人類のリーダー
ではないし、カイルも10代の若者という時の物語だ。
このコナーを、バットマン=ブルース・ウエインでもあるク
リスチャン・ベイルが演じ、コミックスヒーローと同様に、
自分が真の英雄であるかどうかにも迷っている人間味のある
ヒーロー像を描いている。
一方、カイル役には、新版『スター・トレック』ではチェコ
フ役を演じるアントン・イェルチンが扮して、こちらはまと
もに英語の喋れる正に10代の若者を演じていた。因にイェル
チン本人は1989年ロシア生まれのようだ。
この他、キャメロンの推薦で配役されたというサム・ワーシ
ントン、『ストリート・ファイター/ザ・レジェンド・オブ
・チュン・リー』にも出ていたムーン・ブラッドグッド、僕
が観た中では初めてまともな女性を演じているブライス・ダ
ラス・ハワード。
さらに、いつもの怪演を見せるヘレナ・ボナム・カーター、
オスカーに4回ノミネートのジェーン・アレキサンダー、い
つもの頑固ぶりのマイクル・アイアンサイドなどが脇を固め
ている。
また監督の関係なのか、コモンとジェイダグレイス・ベリー
という2人のミュージシャンが出演しているが、特に日本人
の血を引き現在9歳で作詞も手掛けるというベリーは、この
先のキーにもなりそうな役柄だ。
で、今回は内容に関してはあまり触れなかったが、正直に言
って本作の物語にはシリーズの根幹であったタイムパラドッ
クスもほとんど出てこないし、SF的にはそれほど深いもの
ではない。
しかしそれを補って余りあるのが監督独特のアクションで、
陸から空からほとんど隙間無しのアクションの連続は、それ
だけでお腹一杯と言いたくなるようなもの。それを楽しめれ
ばそれで良いとも言える作品だ。
シリーズはこの先カイルを過去に送り出すまでを描くのか。
また人類の未来に勝利はあるのか。そこにタイムパラドック
スはどう影響するのか。物語はまだまだ続きそうだ。
『コネクテッド』“保持通話”
2004年にラリー・コーエン原案、デヴィッド・R・エリス監
督で映画化されたサスペンス・アクション映画“Cellular”
(セルラー)を、香港を舞台にリメイクした作品。
過去に香港映画界では数多くのハリウッド模倣作品を作って
きたが、本作は史上初めて正式にリメイク権をハリウッドと
契約して製作されたとのことだ。その動きは、ハリウッドで
も受け入れられるようになった香港映画界の自信の現れとも
取られているようだ。
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05月31日(日)
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