ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460242hit]
■フィースト3、ココ・シャネル、呪怨、ARTISANAL LIFE、未来の食卓、バッド・バイオロジー、ラスト・ブラッド(追記)+製作ニュース
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『フィースト3−最終決戦−』
“Feast III: The Happy Finish”
4月19日付でパート2を紹介したシリーズのパート3。現状
ではこれで最後のようだ。
実際にはパート2と同時に製作されて上映時間も97分と80分
だから、超大作なら纏めて一気の公開もありかなというくら
いのものだが、内容的にはかなり展開も変えて、それなりに
別作品の感じには成っている。
そのパート3のお話は、兎に角何でもありの展開で、変な救
世主が次々登場したり(どんな連中かは観てのお楽しみ)、
意味不明の地下道が登場したり、大体がB級どころか、C、
D級と言った感じの支離滅裂なものとなる。
もちろんそれが狙いの作品だし、その点では考えて作られて
いるものだが、お話を紹介しようとすると最早それ自体が拒
否されているような展開で、正に「いやはや」と言う以外の
言葉が見つからない。
それにしても、ギャグの一部には苦笑と言うか咄嗟には笑え
ない部分もあって、この辺はある種の映画表現の限界への挑
戦という感じもする。パート1の受賞のときには「過去の作
品を徹底的に研究した」という発言があったが、それに近い
ものなのだろう。
とは言え、補聴器のギャグなどは実際に体験者でないと、そ
ういう事態の発生状況も分からないものだが、これを一般的
な映画のギャグとしてしまう辺りもかなりの挑戦といった感
じのものだ。もっとも自分の体験では本人が一番気付かずに
いて、それが笑えたものだが…
脚本は前2作と同じくパトリック・メルトンとマーカス・ダ
ンスタン。監督も同じく俳優の息子のジョン・ギャラガー。
出演者もほぼ同じだが、本作にはさらに、XMA(Extreme
Martial Arts)の新人クレイグ・ヘニンセンが登場して得意
の技を見せてくれる。
ホラーと言うより、スプラッターも通り越して、グロテスク
な描写のオンパレードと言う感じだが、それでもエログロに
落としていない(バストの露出などはあるが)ところが作者
たちの見識と言った感じで、その辺は判って作っているのだ
ろう。
もちろん、血みどろの映画だから、その手の作品に馴れてい
る人にしか勧められないが、後半にはそこまでやるかの展開
もあるし、エンディングには皮肉たっぷりのテーマソングも
登場するし、好き者にはそれなりに楽しめる作品だった。
『ココ・シャネル』“Coco Chanel”
シャーリー・マクレーンの主演で、アメリカでは昨年9月に
テレビで放映されたフランスのファッションデザイナー=コ
コ・シャネルの伝記映画。
1921年に香水「シャネルNo.5」を発表し、1920年、30年代の
ファッション界で一時代を築いたシャネルが、戦時中の疎開
を経て1954年にパリで活動を再開する前後の様子を描きなが
ら、一介のお針子からファッションデザイナーとして成功す
るまでの青春時代を描く。
孤児院の出身で家柄も学問もなく、それでも天賦のデザイン
の才能で女性たちを魅了したガブリエル“ココ”シャネル。
そんなファッション界の巨匠の若い日々では、恋に破れ、ま
た悲劇に見舞われながらも成長して行く姿が描かれる。
シャネラーなんていう言葉は既に死語かも知れないが、少し
前までのシャネルは日本女性の最大の憧れだったようだ。そ
んなシャネルの真実の姿が描かれる。
と言っても、本作は元々がテレビ映画だからそれほど深く掘
り下げているものではない。それでも、マクレーンの演じる
シャネルは、マルカム・マクダウェルが演じるパトロンを手
玉に取るなど溌溂として、それを観ているだけでも元気が湧
いてくる。そんな感じで気楽に楽しめる作品だ。
なお若き日の姿は、スロヴァキア出身のバルボラ・ボブロー
ヴァという女優が演じているが、こちらも良い感じだった。
[5]続きを読む
05月17日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る