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On the Production
by 井口健二
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■Blood、マン・オン・ワイヤー、色即ぜねれいしょん、真夏の夜の夢、精神、BASURA、トランスポーター3
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『Blood』
2004年『花と蛇』などの艶技で話題を呼んでいる杉本彩が、
2000年『弟切草』などの下山天監督の許、女吸血鬼役に挑戦
した作品。
物語の主人公は、公安課から捜査1課に転属してきた刑事。
転属の理由は…多分熱血漢がそれにより詰め腹を切らされた
というところのようだ。その刑事が、時効を迎えようとして
いる14年前の殺人事件の再捜査を始めるところからお話は始
まる。
その事件は、古い屋敷のメイドが惨殺されたもので、内部の
犯行と見られるが関係者には全員アリバイが成立した。そし
て刑事は、その屋敷の主だった女性の許を訪ねるが…
この屋敷の主を杉本彩が演じ、刑事役を津田寛治、そして女
が犯人と名指しする黒沼と呼ばれる男を要潤が演じている。
他にモデル出身の山口小夜、元ジュノンボーイの松田悟志、
ガッツ石松らか共演。
またスタッフでは、企画原案脚本を2004年『IZO』などの
武知鎮典、音楽を『カンフー・ダンク』などの吉川清之、V
FXは現在円谷プロの副社長を務める1994年『河童』などの
岡部淳也が担当している。
つまりスタッフもキャストも、上映時間85分の作品にしては
そこそこの顔ぶれが揃っているもので、それなりに気合いの
入った作品と言えそうだ。
吸血鬼ものというのは、プレス資料にも作品リストが挙げら
れていたが、古典的な名作も多くていろいろな制約もある。
それを如何に活かし、また新たな展開を生み出せるかが注目
となるものだが、本作はそれなりに考えられているように感
じられた。
特に、本物の吸血鬼となる為には血液が適合しなければなら
ない。しかし一般人にも1滴の吸血鬼の血とワインの与え続
ければ不死性を保てる…という設定は、過去にもあるものか
どうかは知らないが、いろいろな辻褄も合って良いアイデア
に思えた。
そして、その血を持った男女の葛藤や争いが繰り広げられる
という展開は、閉じた空間の中での物語とするには上手く作
られている感じがしたものだ。また映画では、その閉鎖空間
から一瞬外に出る展開も良い感じだった。
ただ、本作の結末部分は尻切れトンボとまでは言わないが、
ちょっと呆気なかったことは事実で、ここにもう少しドラマ
か捻りが欲しかった感じもする。それを加えて100分ほどの
作品になっていれば、僕は大満足かな?というところだ。
なおプレス資料によると、監督は『ブレードランナー』を演
出の手本にしているのだそうで、従って津田と要の役柄は、
ハリスン・フォードとルトガー・ハウアー…。他にもいろい
ろとSF映画への思い入れがあるようで、その辺はちょっと
気になる監督だ。

『マン・オン・ワイヤー』“Man on Wire”
今年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した
作品。
1974年、当時はまだ建設途中だったニューヨーク・ワールド
トレードセンター(WTC)のツインタワー屋上間に密かに
ワイアーを張り、無断の綱渡りを敢行したフランス人曲芸師
フィリップ・プティの記録を再現ドラマを交えて描いたドキ
ュメンタリー。
プティはそれ以前にもノートルダム寺院やシドニーの河川橋
の基部のタワー間など、いろいろな場所で無断の綱渡りを敢
行してその度に逮捕されるなど、近年話題の高層ビルの外壁
を登る蜘蛛男のような活動をしていたようだ。
そしてその集大成とも言えるのがWTCだった訳で、この時
も逮捕はされるが、一般民衆には喝采を浴び、以後は各地の
イヴェントなどに招かれて公式に綱渡りをするようになった
とのことだ。つまりその宣伝効果は抜群だったということに
なる。
なお映画は、プティの若い頃からWTCに挑むまでを描き、
そこでは恋人と一緒に綱渡りをするシーンなど、根っからの
綱渡り師であることが紹介される。一方、WTCへの挑戦で

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04月26日(日)
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