ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460251hit]
■USB、ボルト、フィースト2、海の上の君は…、そんな彼なら捨てちゃえば?、ブッシュ、消されたヘッドライン+製作ニュース
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『USB』
舞台作品における映像プランナーとして実績を持ち、2006年
ベルリン映画祭に出品された『カインの末裔』などの映画作
品も手掛けている奥秀太郎監督による最新作。
原子力施設を抱える町を舞台に、低濃度とされる放射能汚染
が始まり、その環境下で暮らす人々にいろいろな思惑が交錯
する。
主人公は、開業医の息子で医大を目指すも浪人6年目という
男性。その父親が亡くなり、病院は閉鎖、主人公にも多少の
焦りは見られるが、まだ悠長に暮らしている状態だ。そんな
主人公の周囲を放射能汚染が蝕み始め、またそれを利用しよ
うとする連中も現れる。
一方、主人公は浪人生活の中で手を出したギャンブルの借金
が嵩んでおり、地元の暴力団と思われる連中から、ドラッグ
の売人になることを強要される。さらに予備校で付き合った
女性が妊娠し、金の工面のために危険な医療実験の被験者に
もなるが…
この主人公を、2007年に『キャプテン・トキオ』を監督した
渡辺一志が演じ、脇役には桃井かおり、大森南朋、大杉漣、
野田秀樹らが配されている。他に、ロックバンド銀杏BOYZの
峯田和伸らが出演。
『キャプテン・トキオ』は、試写は観たがサイトにはアップ
しなかった作品で、何というか取り留めの無い物語の展開が
納得できなかった。今回の作品は、脚本も奥監督が書いてい
て直接の関係はないが、何となく取り留めの無さが似ている
感じもする。
それでこの2人の監督は、共に海外での評価は高いそうだか
ら、こんな作風が海外では評価され易いようだ。でも、僕は
あまり好きな感じではない。
今回の作品でももっと1本筋を通して描いた方が、いろいろ
とアピールもしやすいようにも思えるのだが、どうもそうい
う志向ではないようだ。でもまあ、何かを何となく感じられ
るところがそれで良いのかな。きっとそうなのだろう。
そんな作品だが、取り立てて嫌になるような部分は無かった
し、テーマが放射能汚染ということでは、現代における警鐘
でもある訳で、そんなことでこの作品は紹介しておくことに
したい。公開は6月上旬ごろのようだ。
『ボルト』“Bolt”
ピクサーの創設者ジョン・ラセターがディズニー・アニメー
ションの責任者になり、その第1作として製作された作品。
テレビの人気ドラマでスーパードッグとして活躍するタレン
ト犬が、誤ってハリウッドのスタジオからニューヨークに搬
送されてしまう。ところがそのタレント犬は、実はスタジオ
以外の世間を知らずに育てられ、自分を本物のスーパードッ
グだと思い込んでいた。
そんな世間知らずのタレント犬が、遠くハリウッドの飼い主
の許を目指して大陸横断の旅を開始する。そしてその旅に、
世間擦れした痩せこけの黒猫と、透明のボールに入ったまま
だがテレビには詳しいハムスターが道連れとなり…
飼われていた動物たちが遠く離れた飼い主の許へ向かって旅
をするお話というと、ディズニーの作品では1963年の“The
Incredible Journey”(邦題:三匹荒野を行く)が思い浮か
ぶ。本作がそこからヒントを得たのでは?という意見はアメ
リカでも出ていたようだ。
もちろん、現代のアメリカが舞台では背景は荒野ではなく、
主人公もタレント犬だったりと設定はいろいろ変ってはいる
が、飼い主を思う気持ちでその許を目指すというコンセプト
はディズニーが最も大切にしたいと思っているものだろう。
そして本作では、スーパードッグだと信じていた自分が、実
はただの普通の犬だったと判る挫折感のようなものが、現代
社会のいろいろな部分で共感を得られるような物語が作り上
げられていた。
声優は、アニメ初挑戦のジョン・トラヴォルタと、テレビの
“Hannah Montana”のマイリー・サイラス、他にマルカム・
[5]続きを読む
04月19日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る