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On the Production
by 井口健二
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■第178回
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※
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今回は賞レースの報告から。
最初に2月21日発表の第7回VES賞で、VFX主導映画
のVFX賞には、“The Crious Case of Benjamin Button”
が輝いた。またVFX主導でない一般映画の助演VFX賞に
は“Changeling”が選出され、さらに年間単独VFX賞には
“Benjamin Button”の主人公の生涯が選ばれている。
一方、実写映画におけるアニメーションキャラクター賞は
“Benjamin Button”の主人公、マットペインティング賞は
“Changeling”の1928年ロサンゼルス・ダウンタウン、ミニ
チュア賞は“The Dark Kinght”の塵芥回収車の破壊、背景
賞は“The Dark Kinght”のImax版ゴッサムシティ、合成賞
は“Benjamin Button”、特殊効果賞は“The Dark Kinght”
の全体などがそれぞれ受賞している。
また、アニメーション映画における特筆アニメーション賞
には“WALL-E”が輝いている。さらにアニメーション映画の
アニメーションキャラクター賞は“WALL-E”のWALL-EとEve
が一緒のシーンで音響技術者のベン・バートらが受賞した。
またアニメーション映画における特殊効果アニメーション賞
は“WALL-E”のWALL-E自身の効果が受賞している。
この他にテレビ関係では、“Battlestar Galactica”や、
J・J・エイブラムス製作の新シリーズ“Fringe”、歴史物
の“John Adams”、それに“Doctor Who”などが各賞を受賞
していたようだ。
* *
続いて2月22日に発表されたアカデミー賞では、こちらも
VFX部門には“Benjamin Button”が選出された。これは
以前にも書いたように予想通りというところだ。そして同作
はメイクアップ賞と美術賞にも輝いた。しかし、記録となる
13部門の受賞からは程遠い結果となったもので、替って最多
受賞を果たしたのは“Slumdog Millionaire”。何と9部門
での候補中、作品・監督・脚色・音楽・歌曲・撮影・編集・
音響の8部門での受賞だった。
この結果は、SF/ファンタシー映画ファンとしては少し
残念ではあったが、僕自身では“Slumdog”も大好きな作品
であることに変わりはないので、個人的には満足できる結果
と言えるものだった。
その他のSF/ファンタシー関連の作品では、“The Dark
Knight”がヒース・レッジャーの助演男優賞と音響編集賞を
受賞。さらに“WALL-E”が長編アニメーション作品賞を受賞
している。また、外国語映画部門で『おくりびと』と、短編
アニメーション部門で『つみきのいえ』が受賞したのも嬉し
い結果だった。
今年の受賞式は、不況の影響か舞台の装置などはシンプル
だったが、俳優賞の授与では過去の受賞者が5人ずつ登場し
候補者を称えながら紹介するシステムが感動的で、特にレッ
ジャーの受賞では、遺族の登壇に涙が止まらなくなってしま
った。来年以降もこの方式は継続してもらいたいものだ。
* *
ではここからは、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
最初は新しい情報で、“Sin City 2”“3”なども準備中
とされるロベルト・ロドリゲス監督の次回作として、ワイン
スタイン兄弟傘下のディメンションから、“Nerverackers”
と題された計画が、2010年4月16日の全米公開日付きで発表
されている。
物語は2085年を背景としたもので、論理的に完全なはずの
未来社会を襲った犯罪の急増。その状況に対処するため設立
された精鋭部隊の隊員を主人公としたスリラーとのこと。原
作はないオリジナル作品のようで、この情報だけではそこか
らの展開は想像も付かないが、ロドリゲス監督作品ならアク
ションも期待できるし、VFXスタジオも自前の監督には、
リアルな未来社会もしっかりと見せて貰いたいものだ。
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03月01日(日)
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