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On the Production
by 井口健二
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■ミーシャ、新宿インシデント、パニッシャー、レイン・フォール、太陽のかけら、今度の日曜日に、GOEMON
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ミーシャ/ホロコーストと白い狼』
“Survivre avec les loups”
第2次大戦後半の時期にベルギーからウクライナまでを踏破
したユダヤ人少女の物語。
物語の始まりは1942年、ナチスのユダヤ人狩りが激しさを増
すベルギーの首都ブリュッセルで、8歳のミーシャはユダヤ
人の父親とロシア人の母親と共に隠れ暮らしていた。
やがて父親が入学許可を手に入れ、彼女は学校に通えること
になる。ただし、外出中にある言葉を聞かされたら、何も言
わずにその人について行くこと…それが通学の条件だった。
そして人々がナチスに追い立てられる中、彼女はその言葉を
聞かされる。
連れて行かれたのは郊外のベルギー人の家。そこで彼女はそ
の家の子供として暮らし始める。それは辛く厳しい生活だっ
たが、そこでも彼女は近所の老人やその飼犬と仲良くなるな
どして行く。
そんなある日、両親が東の方に連れていかれたと聞かされた
少女は、老人から貰った小さな玩具のコンパスを頼りに、た
だ東に向かって歩き始める。しかしその先には、狼の棲む原
野や厳しい冬の寒さが待ち構えていた。
原作は、17カ国で翻訳されたベストセラー小説だそうで、特
に実話に基づくとはされていないようだが、大自然を背景に
過酷な時代を果敢に生き抜いた少女の姿が描かれる。
その映画化を製作脚本監督の3役で作り上げたのは、1997年
ソフィー・マルソー主演『女優マルキーズ』などのヴェラ・
ベルモン。ロシア、ポーランドの血を引くユダヤ人であるベ
ルモンが、自身の宿命と感じて描いた作品とのことだ。
因にベルモンは、1981年ジャン=ジャック・アノー監督『人
類創世』なども手掛けた映画製作者でもあるとのことで、絵
作りなどには何となく同じような雰囲気も感じられた。
主演は、本作が映画デビューのマルチド・ゴファール。実年
齢に近い出演と思われるが、我儘一杯の少女が現実に晒され
成長して行く姿が見事に演じられている。
そして彼女に付き添うのが白、黒、赤毛の3頭のオオカミ。
他にも子供のオオカミなど総勢15頭が集められた撮影では、
主演のゴファールを群れのリーダーとして認めるように訓練
されたオオカミたちが、超音波などの策略も使って「演技」
しているそうだ。
なお本作は、以前に紹介した『ベルサイユの子供』などと共
に、3月12日から六本木で開催される2009フランス映画祭で
上映された後、5月に日本公開が予定されている。
『新宿インシデント』“新宿事件”
コメディタッチのアクション映画でお馴染みのジャッキー・
チェンが、不法入国者として登場し、東京新宿の歌舞伎町を
舞台に大暴れする最新作。
巻頭にはユニヴァーサル映画のロゴマークが映出され、普段
の香港映画とは違った雰囲気となる。しかも映画の発端は中
国東北部での残留日本人のエピソード。そして主人公の恋人
が日本人と判明し、日本に帰国してしまうという展開。
正直、いつものジャッキー映画を期待する観客には、最初か
らがつんと喰らわされるような作品だ。
さらに物語では、日本に行った彼女が音信不通になり、心配
した主人公は日本への不法入国を試みることになる。そして
若狭の海岸に漂着した主人公は、一路新宿に住む同郷人たち
の許を目指し、日本の裏社会へと潜り込んで行く。
その裏社会では大陸出身者と台湾出身者が対立し、現状では
日本の組織に取り入っている台湾系が幅を利かせていた。そ
んな中で主人公たち大陸系の人々は、違法就労の3K日雇い
などで暮らしを立てていた。
一方、日本の組織のトップが交替し、そこに中国人ともうま
くやっていこうとする若頭が登場する。その若頭は大陸系の
連中にも目を掛け、やがて主人公との交流も始まる。こうし
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02月22日(日)
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