ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460279hit]
■第166回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今回は、本当はもっと早くに紹介するはずだったこの話題
から。
ソニーに本拠を置いて、ワーナーの『アイ・アム・レジェ
ンド』なども手掛けるプロデューサーのニール・H・モリッ
ツが、“The Boys”と題されたコミックスの権利を獲得し、
コロムビアで映画化することを発表した。
物語は、CIAの所属でThe Boysと呼ばれる捜査班の活動
を追うもの。彼らの任務は、現代に出現した数多のスーパー
ヒーローの動静を監視することで、彼らが人類の役に立つか
否かを判定して最終処分を下すのだ。そんな彼らの活動が、
主には2人の捜査官の目を通して語られるとのことだ。
原作は、『コンスタンティン』などのストーリーライター
のガース・エニスが手掛けているもので、かなり捻ったスー
パーヒーローものと言えそうだが、実は当初DCコミックス
傘下での出版が始まったものの、アンチヒーローものはDC
社の方針に合わないとして第6巻の発行時点でキャンセルさ
れてしまった。しかし、原作者らはそれに納得せず、現在は
新興の会社が引き継いで、全60巻の計画の内の20巻程度が出
版されたところのようだ。
つまり、原作はまだ全体の3分の1程度しか発表されてお
らず、今後の展開も不明の物語だが、そこを敢えて映画化に
踏み切るというものだ。まあ、内容的にはユニヴァーサルの
“Wanted”に似たところもあって、その作品が大ヒットをし
ているところでの計画進行という面もありそうだ。ただし、
本作の映画化の情報は、最初は今年の2月頃に登場したもの
で、そのときは他のニュースに紛れてしまったが、今回はさ
らに映画用の脚色を行う脚本家の契約が発表されている。
その脚色に選ばれたのは、『イーオン・フラックス』など
を手掛けたフィル・ヘイとマット・マンフレディのコンビ。
実は前作の興行が思い通りではなかった脚本家の選択には危
惧の声もあるようだが、前作は撮影中のアクシデントなどで
脚本が機能しなかった面もあり、今回は巻き返しを図っても
らいたいものだ。その他に彼らは2002年ジャッキー・チェン
主演の『タキシード』なども手掛けており、純粋にアクショ
ン中心の作品なら期待は持てそうだし、モリッツの製作なら
その可能性は高い。
また、本作の主人公の1人はスコットランド系ということ
で、原作コミックスが新会社に移って最初の6巻が再刊され
たときには、『ホット・ファズ』などのサイモン・ペグがそ
の巻頭言を寄稿している。ペグ自身もスコットランド系で、
その点の思い入れはありそう(原作の絵も似ているそうだ)
だが、果たして映画化に彼の主演はあるか、もし実現したら
それも話題になりそうだ。
なお計画は、脚本が完成し次第、監督の選考が開始される
もので、製作は来年前半となりそうだ。
* *
お次は、上の作品をキャンセルしたDCコミックスからの
映画化の情報で、サム・ライミとトム・クルーズというちょ
っと変わった顔合せの計画が発表されている。
作品の題名は“Sleeper”。2003−05年にDC傘下のワイ
ルドストームから出版されたシリーズで、主人公は痛みに無
感覚でさらにその受けた痛みを肌の触れた他人に転嫁できる
という特殊能力を持った男。その主人公が、潜入捜査官とな
って超悪人たちの犯罪組織に加わるが、そこで組織の女と恋
に落ちるという展開だそうだ。
オリジナルは、2001年の“Catwoman”の再開やマーヴェル
では“X-Men”のスピンオフなども手掛けているエド・ブル
ベイカーと、イギリス出身画家のショーン・フィリップス。
この2人は、新作の“Criminal”というシリーズで2007年の
アイズナー賞を受賞したコンビとのことだ。
そして今回の計画は、この映画化をライミのプロデュース
[5]続きを読む
09月01日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る