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On the Production
by 井口健二
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■ウォーリー、ハンサム★スーツ、弾突、M、ウォーダンス、ファム・ファタール、私の恋
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ウォーリー』“Wall-E”
ディズニー=ピクサーの最新CGアニメーション。両社が合
併してからの第1号とされる作品。
環境汚染が進み、人類が地球を捨てて宇宙に旅立ったとき、
地球には、地表の汚染を除去して人類が戻れるようにするた
めのロボットWaste Allocation Load Lifter,Earth class=
WALL-Eが残された。
それは最初、膨大な台数で共同作業を行っていたが、やがて
人類の調査隊が来ることもなくなり、徐々にその機能を停止
していった。そして映画の始まりでは、地球に残された最後
の1台だけが与えられた任務を遂行し続けていた。
その最後の1台は、嵐の来襲時に避難する小屋の中に、機能
を停止した仲間から回収したスペア部品と、何故か自分の気
に入った宝物を集め。作業の出来ない夜間には『ハロー・ド
ーリー』のヴィデオを鑑賞しながら暮らしていた。
やがてそのロボットは、自らをウォーリーと呼び、ゴキブリ
と友情を分かち合う。そこには、感情に似たものが芽生え、
さらにヴィデオの出演者たちが手を繋ぐシーンに、いつの日
か自分も誰かと手を繋ぎたいと思うようになっていく。
そんなある日、ロボットがいつものように作業を続けている
と、突然上空からロケットが飛来し、純白に輝くロボットを
放出。その姿を観たウォーリーは、それこそが自分の手を繋
ぐ相手と確信するが…
地表にはウォーリーが処理して積み上げた瓦礫が蟻塚のよう
にそびえ、その中をロボットと地上で唯一の動く生物である
ゴキブリが行き来している。そんな大らかな世界から、一転
ウォーリーの思いもかけぬ冒険が繰り広げられる。
その物語の展開は、僕の予想とは多少違ったが、ピクサーの
今までの作品から観ればこれかなという感じのもの。つまり
これは安心して観ていられるというものだ。しかもそこから
結末への展開にも、心暖まるものが感じられた。
そしてエンディングクレジットに添えられた映像は、その解
釈がいろいろに出来るものだ。その辺にもうまさを感じた。
なお本作の劇場公開には、『マジシャン・プレスト』という
スラップスティックの短編アニメーションが併映される。
『ハンサム★スーツ』
それを着ると不細工な男がハンサムになるという魔法のスー
ツを巡って、塚地武雄と谷原章介が2人1役を演じるファン
タシー・コメディ。
男であれ女であれ、ハンサム/別嬪であれば人生が変わると
思っている人が、世間にどのくらい居るのかは知らないが、
そういう人たちにとってこの映画は、正に夢のような物語と
言えるものだろう。
塚地扮する不細工だが人の良い男が、そのスーツを着ること
によって谷原扮するハンサムに変身し、男性モデルにスカウ
トされ、トップモデルの女性と一時を共にする。確かに、こ
んなことになれば男冥利という生活が実現するものだ。
でも本当の幸せは何処にある…?当然、本作のテーマはそこ
に行くものだが、ただまあ、人生を60年近くも生きてきた自
分としては、かなり微妙に感じるテーマではある。その微妙
さが、他の人にどう採られるかが判らない部分だ。
脚本は、「ブスの瞳に恋してる」で話題になった構成作家の
鈴木おさむ。最近、この手の構成作家の映画を観る機会があ
るが、得手してつまらないギャグの羅列に辟易するものだ。
しかし本作は、意外と言っては失礼だが、予想以上にしっか
りした脚本になっていた。
もちろんそこにはつまらないギャグの羅列もあるのだが、そ
れが塚地演じるキャラクターに合っていて、一種のアンチテ
ーゼのようになっているのもうまいところだ。しかもそれを
谷原のシーンに振っているのもうまいし、それを谷原もよく
演じていた。
実際、谷原というタレントはテレビの司会程度でしか知らな
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08月24日(日)
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