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On the Production
by 井口健二
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■パティシエの恋、恋愛上手…、ボディJ、花は散れども、6年目も恋愛中、センターオブジアース、ダイアリーオブザデッド、ブラインドネス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『パティシエの恋』“後備甜心”
10月中旬から開催される「中国映画の全貌2008」で上映
される内の1本。この映画祭では、日本公開済みの作品も含
め66番組の上映が予定されているようだが、その中で本作は
日本未公開とのことで試写が行われた。
香港のイタリアンレストランを舞台にしたラヴ・コメディ。
相手が他の女と付き合っていることを知りながら、その男と
別れられない女性パティシエのいる職場に、やはり二股を掛
けられている男性シェフが現れる。
と来れば、この2人が一緒になればことは簡単だが、人の心
はそう簡単なものではない。しかもこの2人には、最初の出
会いで多少行き違いがあったりして…そんな男女の物語が開
幕する。
昨年8月に紹介した『幸せのレシピ』など、レストランの厨
房を舞台にした恋物語が最近流行のようだ。これにはテレビ
のグルメ番組などの影響も考えられるが、いろいろな料理が
観られたりするのは、それなりに面白いことは確かだ。
お話は、正直に言って他愛ないものではあるが、まあ普通に
ラヴコメとはそういうものだろう。ただし本作では、2人の
接近は意外と早くて、間怠っこしいところが余りない。それ
でもいろんな出来事が生じる展開は、案外上手く作られてい
た感じがした。
しかも、女性の主人公にはイマジナリー・ペットがいたり、
ちょっと捻ったところもある。それもまた面白くて結構気に
入ってしまった。もちろん、傍から観ればいろいろ言ってあ
げたくなるような展開だが、それでも男女の恋はこんなもの
だとも納得できる。
出演は、2002年12月に紹介した『カルマ』(異度空間)に主
演のカリーナ・ラムと、『風雲ストームライダーズ』などの
イーキン・チェン。さらに、『カンフー・ダンク』などのエ
リック・ツァンがよく似た役柄で登場している。
監督は、アメリカ出身でフランシス・フォード・コッポラの
下にもいたことがあるというアンドリュー・ローと、『アン
ナマデリーナ』などの編集者で受賞の経験もあるモーリス・
リー。物語の分り易さは、この2人の力にもありそうだ。
『恋愛上手になるために』“The Good Night”
グウィネス・パルトロウの実弟ジェイクの初監督作品で、姉
とペネロペ・クルスの共演でも話題になっている作品。
ただし物語の主人公は、『ホット・ファズ』などのマーティ
ン・フリーマン扮するミュージシャンで、同じ『ホット…』
のサイモン・ペグ、さらにダニー・デヴィート、マイクル・
ガンボンらが共演している。
主人公は、以前には人気のあったミュージシャン。ちょっと
した勢いでバンドを解散し、当時のバンド仲間には実社会で
出世した奴もいるが、彼自身の現在はくすぶっている。そし
て当時から一緒に暮らす女性との仲も倦怠期だ。
そんな主人公がある夜、理想の女性が登場する夢を見る。そ
して夢を自在にコントロールして希望の夢が見られるように
する「明晰夢」の実践セミナーに参加した主人公は…
同じような題材の話では、昨年2月にミシェル・ゴンドリー
脚本監督の『恋愛睡眠のすすめ』を紹介しているが、発想は
似ていても展開はかなり違う。特に本作は、出演者からも想
像できるかなりセレブな雰囲気なども楽しめる作品だ。
因にゴンドリー作品の初上映は2006年2月のベルリン映画祭
で、本作の初上映は2007年1月のサンダンス映画祭だから、
その前の製作期間などを考えると想を得たということでもな
さそうだ。
このような夢と現実の交錯する話は過去にもいろいろあると
思うし、これからも次々作られそうだが、映画の中で夢と現
実とをしっかりと区別するのが良いか悪いか。本作では、夢
の世界を35mm、現実をスーパー16で撮影しているようだが、
ネタバレにもなってしまうし、その映像自体もあまり効果的
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08月17日(日)
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