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On the Production
by 井口健二
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■第165回
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。    ※
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 今回は製作ニュースから。
 日本では『竜王伝説』などの題名で知られる故ロバート・
ジョーダン原作によるファンタシー・シリーズ“The Wheel
of Time”の映画化権を7桁($)の契約金でユニヴァーサル
が獲得したと発表した。
 物語は、中世のイギリスを模したとされる架空の世界を舞
台にしたもので、本作執筆以前には『英雄コナン』シリーズ
も手掛けたことのあるジョーダンが、コナンの様ないわゆる
ヒーローの出てこないファンタシーを目指して創作したとさ
れる作品。平和な片田舎に住む平凡な男性が生まれ育った村
を出なくてはならなくなり、その外界には怪物や強大な敵が
待ち構えているというものだ。
 この展開だけ読むと、『ホビット』や『LOTR』、『ナ
ルニア』などにも共通するイギリスファンタシーの香りがす
るが、基本的なアイデアでは、3000年前に男性が支配してい
た世界が崩壊し、以後は絶対力と呼ばれる特別な力は女性だ
けが持って、世界政治の実権を握っているという設定。その
世界で主人公は絶対力を持ったヒーローとして登場するが…
となっている。
 そして物語は、第1巻“The Eye of the Wotld”(竜王伝
説)から、“The Great Hunt”“The Dragon Reborn”“The
Shadow Rising”“The Fires of Heaven”“Lord of Chaos"
“A Crown of Swords”“The Path of Daggers”“Winter's
Heart”“Crossroads of Twilight”“Knife of Dreams”と
続いて、第12巻の“A Memory of Light”で完結予定とされ
ていた。
 ところが、昨年9月にジョーダンが闘病の末に他界。この
ままシリーズは未完に終わるかと思われたが、現在この作品
は“Mistborn”シリーズなどのファンタシー作家ブランドン
・サンダースンがジョーダンの遺稿や創作メモに基づいて執
筆しており、来年秋の刊行が目指されているとのことだ。
 因にシリーズは、総計で4400万部を売り切ったとされ、最
近の4作品はNYタイムズのベストセラーリストの第1位を
獲得。さらにPCゲームやトレーディング・カード、RPG
などにも展開され、Red Eagle Entertainmentという会社か
らはグラフィックノヴェルの刊行も行われている。そして、
今回の映画化は、このグラフィックノヴェルの出版元が製作
にも関わっているものだ。
 なお、この映画化権に関しては、一時期アメリカNBCが
ミニシリーズの製作を目指して契約していたことがあり、そ
のミニシリーズは作られなかったようだが、今回その権利が
ユニヴァーサルに移転されたものだ。
        *         *
 お次は、前に記事にも出てきた『英雄コナン』の計画で、
昨年9月1日付第142回で紹介したミレニアム+ライオンズ
ゲートで進められているロバート・E・ハワード原作の映画
化に、新たな脚本家の契約が発表された。
 新たに参加が決まったのは、2005年6月1日付第88回など
で紹介したヴァイキング時代を背景にして異星人が登場する
というSFアクション“Outlander”などを手掛けるダーク
・ブラックマンとハワード・マッケインのコンビで、彼らは
製作費1億ドルが計上され、ミレニアム、ライオンズゲート
では過去最高額の作品となる新“Conan”の脚本を、オリジ
ナルのハワードの原作に基づいて執筆するとしている。
 因にこの計画では、当初は『ダンシング・ハバナ』などの
ボアズ・イェーキンが脚色を契約し、次いで『サウンド・オ
ブ・サンダー』のトーマス・ディーン・ドネリー、ヨッシュ
ア・オッペンハイマーのコンビも契約したが実現に至らなか
った。そしてこの原作の映画化では、1982年公開オリヴァ・
ストーン脚色、ジョン・ミリウス監督作品が先行するものだ
が、今回はさらに血糊を多くRレイトを目指すとのことで、

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08月15日(金)
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