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On the Production
by 井口健二
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■キズモモ、東京残酷警察、シルク、ワイルド・バレット、女工哀歌、春琴抄、ゾンビ・ストリッパーズ、文七元結
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『キズモモ。』
ユナイテッド・シネマ主催シネマプロットコンペティション
第2回に応募された作品からの映画化。
主演は、今年2月に紹介した『カフェ代官山』に出演の馬場
徹と、舞台『テニスの王子様』に出演の古川雄大。『カフェ
…』の時に書いたのと同様、若い女性向けのイケ面映画とい
う感じの作品だ。
実はマスコミ試写に行けなくて、サイエンスホールで行われ
た舞台挨拶付き完成披露試写会に行ったのだが、これが唯の
舞台挨拶ではないトークショウ、主題歌の生歌付きのしっか
りしたもので、実は入場料3800円と有料だったらしい。
それで、場内は99%が若い女性という感じだったが、彼女ら
がほとんど満足げに帰っていったのだから、『カフェ…』の
時に書いた疑問は解消されたというところだろう。しかも、
帰り道では9月の封切り初日にも行くという声が数多く聞か
れたものだ。
映画のお話は、過去に痛みを背負っているらしい若者の再生
を描いたもので、そこには自転車旅行の旅先での出来事、特
に痛みの原因になった幼馴染みにそっくりな若者が触媒のよ
うに登場する。
題名は、片仮名では判りにくいが、『傷桃』ということで、
桃であったり傷であったりが、青春というブランドの中でい
ろいろなことを象徴しているものだ。そうした物語が、人気
イケ面2人の初共演で描かれるのだから、これはファンには
堪らないものだろう。
さらに物語の舞台は、自然に包まれた山間の町(秩父でロケ
されたらしい)。そこに年配の時計職人とその弟子といった
キャラクター設定は、まさに王道という感じで、これを沃目
もなくやっていられるのも、この分野の利点と言えそうだ。
共演は、河合龍之介、水木薫、小林且弥、甲本雅裕、それに
大ベテランの織本順吉。監督は『さくらん』などの助監督を
務めた山本透が担当した。
まあ、あまり男が1人で観る映画とは思わないけれど、こう
いう世界もあるということは理解できる。男性にはそんなこ
との勉強にはなる作品だ。
それと当日の舞台挨拶では、女性司会者の仕切りの良さに感
心した。若い女性ばかりの観客相手はかなり難しいものと思
われるが、当意即妙の笑いの取り方、間の入れ方で、それは
見事なものだった。舞台では名告らなかったと思うが、どう
いう人なのか気になった。

『東京残酷警察』
TOKYO SHOCKと題された海外資本によって製作さ
れるスプラッターアクションシリーズの第2弾。警察機構の
民営化というかなり微妙な問題を背景にした近未来(?)、
あるいはパラレルワールド物といった感じの作品。
エンジニアと呼ばれる謎の殺戮者が現れる。それは身体が切
断されると、その切断面からさらに凶暴な武器を備えた肉体
が生えてくるという特殊な人体改造を施された犯罪者たち。
その事態に政府は治外法権法を発令して警察を民営化、取り
締まりの強化を目論む。
そして主人公は、警官だった父親を殺され、警察署長の許で
育てられた女性刑事。正義感も強く、優れた身体能力もあっ
てエースとなって行くが、母親の自傷癖も引き継いでいる…
という設定で、とにかく物凄いスプラッターが展開される。
脚本(共同)と監督は、山口雄大監督の『MEATBALL
MACHINE』などの特殊効果を務めた西村喜廣。彼は、
本作の特技監督、残酷効果、クリーチャーデザイン、編集も
手掛けるワンマン映画だ。
この西村監督は、自ら残酷効果請負人とも名告っているそう
で、その面目躍如という感じの作品でもある。とにかく大量
の血糊の中、マシンガンやチェーンソーが振り回され、身体
が切断されては吹き飛び、血飛沫が噴出するという作品。
実際この種の映像は、日本の大手の映画会社では描写が規制

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08月10日(日)
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