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On the Production
by 井口健二
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■第164回
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※このページは、SF/ファンタシー系の作品を中心に、※
※僕が気になった映画の情報を掲載しています。 ※
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今回は、東京の五反田にあるイマジカで行われたPrivate
Showに招待され見学してきたので、その報告から始めること
にしよう。
昔、東洋現像所と呼んでいたイマジカは、子供の頃に父親
が初めてカラー写真を撮ったときには、ここまでフィルムを
郵送して現像してもらっていたものだ。そのイマジカは、現
在では日本の映像産業の中核を担う場所という感じで、DI
(フィルムのディジタル化による処理)からVFX、さらに
Blu-ray Discへのパッケージ化や、HD撮影なども手掛けて
いるそうだ。
今回のショウはその業務の紹介という感じのもので、まず
第1試写室でのプレンゼンテーションに続いては、各種機材
の展示紹介や、第2試写室に新たに設備されたDolby-3Dによ
る3D作品のデモンストレーションなどを見学した。そこで
このページでは、この3D作品を中心に報告する。
このページや映画紹介でも、今までに何本か3D作品を紹
介しているが、それらはいずれも円偏光板を用いたReal-3D
システムによるものだった。それに対して今回は、僕自身は
初体験となるDolby-3Dを鑑賞したものだ。このシステムは、
赤・青・緑の光3原色を、それぞれ微妙にシフトさせた2色
ずつを交互に用いて左右画像の映写を行い、それらを多層色
フィルタで左右に分離して鑑賞するもので、旧来の赤青眼鏡
の方式を究極に進化させたものとも言える。
そして会場では、テレビ局でのイヴェント用に制作された
『スカイクロラ』の空中戦シーンと、10月25日の日本公開が
決定した『センター・オブ・ジ・アース』、及びすでに地方
公開中の『シーモンスター』の予告編が3D上映された。
この内で一番に注目したのは、『スカイクロラ』の空中戦
シーンだったが、ここでは本編冒頭の約2分間が3D化され
ていたようだ。その映像は2D作品からの3D変換というこ
とだが立体感はなかなかの迫力で良い感じがした。ただし、
元々が3Dは考慮されていなかったのか、本来ならもっと観
客の顔面に向かって飛んでくるような3D演出が欲しかった
ところだが…、まあ全体の試みとしては成功と思えた。
それで、Dolby-3Dの使用感は、明るさも色彩も問題ない感
じで、Real-3Dとの甲乙は付けがたいという感じだった。た
だし、使用する眼鏡はかなり高価なもののようで、Real-3D
のようにお持ち帰りとは行かなかったが、プロジェクターの
システムはReal-3Dより簡単というメリットはあるようだ。
しかし以前の情報で家庭用にも実施できると書かれたサイト
を見たが、僕の理解ではそうも行かない感じがしたもので、
その辺はもう少し確認したいと思うところだ。
その他の展示では、最新型の4KカメラDALSA Evolution
が素晴らしい性能を見せてくれていたもので、その横に置か
れたソニー製のCineAltaは完全に時代後れの感じがした。こ
れでいよいよ本格的なディジタル映画時代が到来しそうだ。
それにしてもソニーは、4Kのプロジェクターは宣伝してい
るのに、4Kのカメラの発表がないのはなぜなのだろうか。
後は、DIによる画面補正や、画像ビットレートのアップ
コンバートの実演なども見学したが、ディジタル映像の最先
端を見せてもらっている感じで、実に有意義なものだった。
ご招待いただいた久保田さんにはこの場を借りてお礼申し上
げます。
と言うことで、以下は製作ニュースを紹介しよう。
* *
まずは久々にSF名作の映画化の情報で、『アイ・ロボッ
ト』などの原作者アイザック・アジモフが、1941年から49年
に掛けて執筆し、1951年から53年に単行本化された銀河系の
遠未来史“The Foundation Trilogy”(銀河帝国の興亡)の
映画化を、旧ニューラインの創設者ボブ・シェイとマイクル
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08月01日(金)
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