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On the Production
by 井口健二
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■ハード・リベンジ、俺たちダンクシューター、アイアンマン、レス・ポール、能登の花ヨメ、歌え!パパイヤ、The 11th Hour、空想の森
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『NEO ACTIONシリーズ
/ハード・リベンジ,MILLY』
世界に通用するアクション映画というコンセプトで製作され
たそれぞれ45分前後のシリーズ作品の1本。昨年10月に紹介
した『新・女立喰師列伝』でもガンアクションに挑戦した女
優の水野美紀が、さらに過激なアクションに挑んでいる。
20XX年の荒廃した横浜を舞台に、家族を暴漢たちのグループ
に惨殺され、自分も瀕死の重傷を負った女性が、全身に過激
な銃器を内蔵したサイボーグとなって、犯人たちへの復讐を
遂げて行く。
この種の作品では、内蔵される銃器は物語の展開に合わせて
いろいろ考えられることになるが、問題はそれを装備した時
の人体とのバランスで、これがうまくデザインされていない
と、見た目も悪いし、話もつまらなくなってしまう。
その点を本作では、銃器の内蔵を直接絵柄で見せることはせ
ず、日本刀やショットガンが突然いろいろなところから繰り
出されてくる仕組みとして、それはうまく描かれていた。特
に終盤に出てくるメカの描写などはなかなかのものだった。
同趣向の作品では、先に『プラネットテラー』なども登場し
ているが、本作はそのアイデアをうまく消化した作品とも言
える。それに本作ではスプラッターの描写もかなり過激で、
CGIも使った血みどろの描写は、その方面のファンにも評
価が得られそうだ。それはつまり、ファンでない人には多少
危険だとも言えるほどのものだ。
ところで本作の主目的はアクションを見せることで、しかも
上映時間が44分では、お話は取って付けたようなものでしか
ないが、それでも一応の達人らしい人物が心得を述べたり、
その教えを主人公が忠実に守ったりという展開は、あまり浮
くこともなく納得できるように描かれていた。これも『キル
・ビル』の展開をうまく消化したとも言えそうだ。
脚本・監督は、『新・女立喰師列伝』でも水野と組んでいた
辻本貴則。アクションのアイデアも良かったし、この名前は
ちょっと気にしておきたい。共演は、大口広司、虎牙光揮、
中村哲也、紗綾、今村浩継。特に、虎牙と水野の闘いは迫力
もあって良い感じだった。
『俺たちダンクシューター』“Semi-pro”
1967年から76年まで存続したアメリカのプロバスケットボー
ルリーグABAが、NBAに吸収される最後の1年を題材に
したコメディ作品。
ABA(American Basketball Association)は、1967年す
でにあったNBAに対抗して設立され、特にNBAチームの
ない都市を中心にリーグ戦を展開して、地元本位のファンサ
ーヴィスなどで人気を得ていた。
しかし財政基盤の弱いチームが多く、観客動員もままならな
いまま1976年にはNBAとの合併が画策されて、比較的財政
状況の良好だったスパーズ、ナゲッツ、ネッツ、ペイサーズ
の4チームがNBAに吸収され、残りのチームはリーグと共
に解散となったものだ。
この作品は、その最後のシーズンを巡って、万年下位だった
弱小のチームが、NBA参入を目指して飛んでもない頑張り
を見せるという物語。
そのチームは、ミシガン州フリント市に本拠を置くフリント
・トロピックス。地元出身の一発屋の歌手がオーナー兼監督
兼主力選手として君臨し、試合前には彼のミニリサイタルが
催されるという典型的なABAチーム。
ところがABAのNBAへの吸収が決定され、4位以内の順
位と2000人の観客動員をクリアしなければチームは解散とい
う事態になる。そこでオーナーは、元NBAで優勝経験もあ
るという選手を獲得し、チームの立直しを図るが…
基本的にはコメディだが、当時の風俗やダンクシュート、3
ポイントシュートなどのABAが始めてNBAに引き継がれ
た競技のルールなども丁寧に描いて、恐らく当時を知る人に
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06月22日(日)
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