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On the Production
by 井口健二
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■第161回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回も記者会見の報告から。
6月3日の台風が来襲する最中、お台場の未来科学館で、
『ミラクル7号』のチャウ・シンチーと主演シュウ・チャオ
による記者会見が行われた。僕にとってお台場でのイヴェン
トは、以前にも大嵐に見舞われたことがあって、そんな巡り
合わせの場所になってしまいそうだが、それはともかく会見
では、監督の次回作の構想なども聞くことができた。
その次回作は、一般的な情報では『西遊記』ということに
なっているものだが、この席の発言では先に起きた四川省の
大地震をテーマにした作品も作りたいのだそうだ。それは、
地震そのもの恐ろしさと、その後の人々の救援活動などを描
くものにしたいとのこと。ただし、自分にその資質があるか
どうかを思案中とのことだった。
あれだけの出来事があれば、それを映画にしたくなるのは
当然のことだが、そこで一歩下がって自分の資質を考えるの
もチャウ・シンチーらしさと言えそうだ。
なお僕は、宣伝からの依頼もあって映画の中の父子の関係
について質問したが、一緒に最近養子縁組したシュウ・チャ
オをどんな風に育てたいか訊いてみた。その答えは「今はま
ず勉強」とのことで、自分自身の苦労に重ねて、まずは学問
と考えているようだった。また現在10歳のシュウ・チャオの
将来の夢は映画監督だそうで、アクション・コメディを撮り
たいとのこと。その作品に義父を出演させるかどうかは判ら
ないそうだが、それも楽しみに待ちたいものだ。
以上で記者会見の報告は終りにして、以下はいつもの製作
ニュースを紹介しよう。
* *
最初の情報は、前回もちょこっと書いたが、往年のテレビ
シリーズ“The Dark Shadows”の映画化に関して、昨年8月
1日付第140回で紹介したジョニー・デップ主演予定作に、
何とティム・バートン監督の名前が浮上してきている。
実はこの計画では、バートン監督の『チャーリーとチョコ
レート工場』や『ビッグ・フィッシュ』を手掛けたジョン・
オーガストが脚本を担当することが報告されており、監督の
盟友とも言える脚本家の参加、さらにデップ主演となれば、
バートンの参加に何の障害もないだろうとのことだ。
因に物語は、吸血鬼一族に支配された街を舞台にしたもの
で、デップは吸血鬼の首領のバーナバス・コリンズ役を自ら
希望しているものだ。ただしデップには、前回にも紹介した
ように、撮影中のギャング映画“Public Enemies”に続いて
は、インドで“Shantaram”、カリブで“The Rum Diary”、
さらには噂の“Sin City 3”など計画が目白押し、前回紹介
の“The Man Who Killed Don Quixote”も含めたら、一体ど
れができるのやら…という感じになる。
もっとも脚本家のオーガストの方も、『ゲットスマート』
のピーター・シーゲル監督が、ドウェイン“ザ・ロック”ジ
ョンスン主演で進めているアメリカン・コミックスの映画化
“Billy Batson and the Legend of Shazam”の脚色にも名
前が挙がっており、どちらを先にするかは決まっていないよ
うだ。なお海外のデータベースでは、“Shazam”が2009年、
“Shadows”は 2010年の公開としているものもあり、そんな
順番で進むのが順当のようだが、それにしてもデップのスケ
ジュールは…というところだ。
* *
2005年『エリザベスタウン』などで知られるキャメロン・
クロウ監督の新作の映画化権が、5社による争奪戦の末にコ
ロムビアと契約され、さらにこの作品に、『ナイト・オブ・
ミュージアム』ベン・スティラーと、『キューティ・ブロン
ド』リース・ウィザースプーンの共演が発表されている。
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06月15日(日)
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